あなたのいま持っている「SEO対策の見積もり」は、その金額そのものよりも“中身が見えないこと”で、静かに損失を生んでいます。
月5万円でも月50万円でも、よくある見積もりは「SEO対策一式」「SEOコンサル」「コンテンツ制作◯本」としか書かれていない。ここに踏み込まないまま、相場や口コミだけで判断すると、次のような事態が平然と起こります。
- 成果報酬SEOで、「売上に直結しないキーワード」だけで請求される
- 月10万円の固定費で、実態は月1レポートと軽微な修正だけ
- 「SEOもやります」と書かれた制作会社の見積もりが、実はタイトル調整レベルで終了
- リニューアルでURLを変えた瞬間、検索流入が半減し、復旧コストが本体より高くつく
これは、あなたの判断力が弱いからではありません。
料金体系ごとに何が起きていて、どこまでが妥当で、どこからが危険かを、業界側がほとんど具体的に開示していないからです。
このガイドは、「SEO対策 費用 相場」「料金プラン」「月額料金」「初期費用」といった表面的な比較から一歩踏み込み、その金額で現場が実際に何をするのか/しないのかを、金額帯別かつ立場別に言語化します。
社長、Web担当者、制作会社ディレクターそれぞれが、「どの費用なら何を期待してよいか」「どこからが高くて損をするゾーンか」を、自信を持って線引きできる状態をゴールにします。
- 社長なら、広告費とSEO費用を同じ物差しで比較し、「どの予算でどれだけ手元の現金が増える設計になっているか」を掴めます。
- Web担当者なら、上司に対して「なぜこのSEO費用が必要なのか」を、作業範囲とリスクを軸に説明できます。
- 制作会社なら、自社の見積もりに載せるSEO費用を、過剰責任を負わずに、かつ顧客にとっても筋の通った水準で定義できます。
この記事全体で、あなたが得られるものを整理すると次の通りです。
| セクション | 読者が手にする具体的な武器(実利) | 解決される本質的な課題 |
|---|---|---|
| 構成の前半(費用のカラクリ〜レッドフラグ〜立場別の問い方) | 金額帯ごとの現実的な作業範囲、成果報酬/固定報酬/スポットのリスク、危険な見積もりを即座に見抜くチェック視点 | 「この見積もりは妥当なのか」「どこまで期待してよいのか」が分からず、判断を先送りしてしまう状態 |
| 構成の後半(失敗シナリオ〜予算設計〜内製と外注〜業界神話の解体) | 自社の体制と予算に合った費用レンジ、丸投げせずに成果を出す役割分担、古い常識に振り回されない判断軸 | 一度失敗したSEOから学べず、同じコストのかけ方を繰り返してしまう構造そのもの |
この記事を読み終えるころには、「SEO対策の費用」で迷うこと自体がほぼなくなります。
相場表を眺めて悩む段階から、「この条件なら月◯万円でここまでやってもらえれば十分」「この見積もりは中身が薄いので交渉かスルー」と、即座に切り分けられる判断基準を手にしてください。
- 「SEO対策の費用」がなぜここまでバラつくのか?──“相場表”では隠れてしまうカラクリ
- 成果報酬SEOで泣く企業、固定報酬でモトを取る企業──料金体系ごとの“リアルな落とし穴”
- 「この見積りは危険信号」SEO費用の“レッドフラグ”を現場視点でチェックする
- Web担当者・社長・制作会社…立場別に変わる「SEO費用」の正しい問いの立て方
- 「高いSEO」と「高くつくSEO」は別物──よくある失敗シナリオとやり直しコスト
- 予算から逆算する:“月いくらなら何をして、どこを諦めるか”の現実ライン
- 「SEO会社に丸投げ」では必ず失敗する──社内が担うべき役割と外注すべき領域
- 相談メール・チャットに頻出する「費用のモヤモヤ」をプロの目線で言語化してみる
- 「それ、もう古いです」いまだに信じられているSEO費用の“業界神話”を解体する
- 執筆者紹介
「SEO対策の費用」がなぜここまでバラつくのか?──“相場表”では隠れてしまうカラクリ
見積書を3社並べた瞬間、「同じSEOなのに、なんでここまで金額が違う?」と固まる人は多いはずです。相場表だけ眺めてもモヤモヤが消えないのは、費用の内訳より先に「前提条件」がまるっと省略されているからです。
現場で起きているのは、ざっくり言えば次の3つのズレです。
-
どこまでをSEOと呼ぶかのズレ(調査だけ/実装まで)
-
誰が手を動かすかのズレ(コンサル中心/制作・開発込み)
-
どこまで成果責任を持つかのズレ(順位まで/CVや売上まで)
この3つが噛み合わないまま金額だけ比較すると、「安いけど何も進まない」「高いのに社内は疲弊だけ」というパターンに陥ります。
月5万円〜100万円超まで…同じ「SEO対策」で何が違うのか
ざっくりの金額レンジごとに、現場で“本当に”やれる範囲を整理するとこうなります。
| 月額費用帯 | 現場で現実的にできること | 逆に、この金額ではまず無理なこと |
|---|---|---|
| 〜5万円 | 簡易診断、月1打ち合わせ、軽微な修正指示 | 大規模な内部改修、継続的な高品質コンテンツ制作 |
| 10万〜20万円 | キーワード設計、基本的な内部対策指示、簡易レポート | 専任ライターによる本数多めの記事制作、開発伴う改善 |
| 30万〜50万円 | コンサル+コンテンツ制作+技術調整を一通り回す | 大規模サイト全体の構造刷新、スピード勝負の改善サイクル |
| 50万円〜100万円超 | 内製化支援、編集体制づくり、開発巻き込んだ改善 | 「完全丸投げで売上保証」のような約束 |
ここで押さえたいポイントは1つだけです。月10万円の見積書に「内部対策・外部対策・コンテンツ制作」全部入りと書いてあったら、どこかが必ず薄くなるということです。
特によくあるのが、「月額10万円=実態は“月1レポート+軽微な修正”だけ」というケース。コンテンツ制作も大掛かりな内部改修も含まれていないのに、「SEO対策一式」とだけ書かれているパターンです。
見積りの1行目に潜む罠:「一式」「SEOコンサル」の曖昧すぎる正体
見積書の1行目にあるこの2ワードは、費用トラブルの温床です。
-
SEO対策一式
-
SEOコンサルティング費
このラベルだけでは、次の点がまったく読み取れません。
-
調査・分析はどこまで含むのか(キーワード・競合・アクセス解析など)
-
提案だけなのか、実装や修正作業までやるのか
-
コンテンツ制作は本数・文字数・誰が執筆するのか
-
社内ミーティングやチャット対応にどれだけ時間を割く前提なのか
最低でも、次の3項目をテーブルで整理してもらうだけで、「割に合うかどうか」が一気に見えやすくなります。
| 項目 | ベンダー側がやること | 自社側がやること |
|---|---|---|
| 調査・分析 | キーワード・競合・技術調査など | 事業理解の共有、数字の提供 |
| 実装・修正 | CMS修正、開発指示書作成など | 社内開発の工数確保、承認 |
| コンテンツ | 構成案・執筆・校正 | 専門知識の提供、最終チェック |
「SEOコンサル」とだけ書かれている場合、レポートと口頭アドバイス止まりになっていることも珍しくありません。「誰が手を動かすのか」を聞き切れていないと、社内担当1人の工数がパンクして、月50万円かけても燃え尽きるだけというミスマッチが起きます。
会社規模・業種・目標によって“適正費用のレンジ”はこう変わる
同じ30万円でも、BtoCのECサイトと、地域の工務店では「重さ」がまったく違います。広告費の感覚とあわせて整理すると、判断がしやすくなります。
| タイプ | 売上規模・広告費の目安 | SEO費用の現実的レンジ | ポイント |
|---|---|---|---|
| 地方のサービス業・工務店 | 月売上数百万/広告は月10万前後 | 月5万〜15万円 | リニューアル前後のスポット支援+最低限の内部対策が優先 |
| 中小EC・SaaS | 月売上数千万/広告は月50万〜200万円 | 月20万〜50万円 | 広告CPAと比較しつつ、コンテンツと技術をセットで |
| 中堅〜大企業 | 広告予算が年数千万円〜 | 月50万〜100万円超 | 内製チーム前提。外注は設計と高度な技術支援に絞る |
広告費と比べて「高い・安い」ではなく、1件あたりのリード・注文を増やす“もう1本のルート”を作る投資として見るとブレません。
私の視点で言いますと、「相場は?」と聞かれたときに数字だけ答えることはまずありません。必ず「誰がどこまで手を動かせる体制か」「何か月でどこまでを狙うのか」を聞き、そこから逆算して金額帯を決めたほうが、社長にもWeb担当にも納得感のある判断がしやすくなります。
成果報酬SEOで泣く企業、固定報酬でモトを取る企業──料金体系ごとの“リアルな落とし穴”
「安く見えたSEOが、気づけば“高い授業料”になっていた」
費用の相談に乗っていると、社長もWeb担当者も、ほぼ同じパターンでつまずきます。問題は金額そのものではなく、料金体系ごとに“起こりがちな事故”を知らずに契約してしまうことです。
成果報酬型:安く見えて「売上に直結しないキーワード」で請求される構図
成果報酬SEOは「成果が出たら支払い」で耳触りは良くても、実務では次のような構図が頻発します。
-
成果対象キーワードが
- 「自社ブランド名+地域名」
- 商品名そのもの
など、すでに指名検索で取れている層になりがち
-
「CV(問い合わせ・購入)に近いワード」ではなく、
アクセスは増えるが売上に直結しにくいワードが成果対象になる
料金表の“裏側”は、こんなイメージです。
| 項目 | 一見メリット | 現場で起きがちな落とし穴 |
|---|---|---|
| 成果報酬(キーワード順位) | 出費は成果が出た時だけ | 売上につながらないワードで成果扱い |
| 成果報酬(アクセス数) | PVが増えやすい | 意図が弱い検索ばかり増える |
| 成果報酬(問い合わせ数) | 売上に近い指標 | attributionの線引きがあいまい |
契約前に成果対象キーワードの例示と、「ブランド名・超ニッチワードは成果対象に含めない」文言を必ず確認しておくと、痛みをかなり防げます。
私の視点で言いますと、ここを飲み込まないままハンコを押した瞬間に、勝負はほぼ決まっています。
月額固定型:10万/30万/50万円ラインで、現場が実際にどこまで動けるか
同じ「月額固定型SEO」でも、金額帯で現場が動ける作業量はまったく別物です。相場表だけでは見えない“現実ライン”をざっくり整理するとこうなります。
| 月額 | 現場で起きがちな実態 | できること / できないことの目安 |
|---|---|---|
| 10万円前後 | 月1レポート+軽微な修正が限界 | 既存ページのタイトル最適化、簡易内部対策 / まとまった新規コンテンツ制作はほぼ不可 |
| 30万円前後 | コンサル+月数本のコンテンツ+技術調整の一部 | キーワード戦略設計、重要ページの改善、月2〜4本程度のSEO記事 / サイト全体の大規模改修は厳しい |
| 50万円以上 | 専任に近い体制+内製化支援も視野 | 戦略〜実装まで一気通貫、開発ディレクション、社内教育 / リソース次第で“SEO部門の外注”レベル |
特に注意したいのは「月額10万円・SEOコンサル一式」のような見積もりです。
この金額で「毎月がっつり記事制作」「大規模な内部改修」まで含まれていることはまずありません。Web担当者が上司に説明する時は、「この単価だと、やれるのはここまで」と作業範囲を明文化しておくと、後から揉めません。
スポット依頼:リニューアル前後の“ここだけは外注した方がいい”ポイント
「予算が薄いので、基本は自社で。要所だけプロに頼みたい」というパターンも多くなりました。スポットSEOで費用対効果が出やすいのは、リニューアル前後の限定ポイントです。
| タイミング | 外注した方がいい理由 | 代表的なスポット内容 |
|---|---|---|
| リニューアル前 | 設計をミスると後から復旧コストが膨らむ | URL設計、ディレクトリ構造、重要ページの洗い出し |
| 実装フェーズ | 制作会社だけだと検索エンジン視点が弱くなりがち | 内部リンク構造、メタ情報設計、スキーマ設計の指示 |
| 公開直後 | アクセス激減を早期に検知し、手当てする必要 | 旧URL→新URLのリダイレクトチェック、サーチコンソール分析 |
リニューアル時にSEOを意識せず、公開後に検索流入が半減→慌てて復旧コストが発生するケースは、業界では珍しくありません。ここを最初からスポットで押さえておく方が、長期的な固定費を抑えられます。
社長にとっては「広告費より安い固定資産への投資」、Web担当者にとっては「自分一人では背負えないリスクの保険」、制作会社にとっては「焼けど防止の安全弁」として、料金体系ごとの“落とし穴の位置”を見極めておくと、見積書の意味がまったく違って見えてきます。
「この見積りは危険信号」SEO費用の“レッドフラグ”を現場視点でチェックする
「相場は合っているのに、なぜかモヤモヤする見積り」は、たいていどこかに“地雷”が埋まっています。ここを見抜けるかどうかで、数十万〜数百万円単位で「高くつくSEO」を避けられます。
成果対象キーワードが“ブランド名+地域名”ばかりになっていないか
成果報酬SEOの見積りで、まず最初にチェックすべきが「成果対象キーワード一覧」です。
次のような構成になっていたら、かなり強めの警戒シグナルです。
-
自社ブランド名+市区町村名
-
自社サービス名+駅名
-
すでに1ページ目にいる指名キーワードばかり
これらは「指名検索」で、ユーザーはすでにあなたの会社を知っている状態です。アクセスは増えても、新規顧客の財布はほとんど増えません。
私の視点で言いますと、成果報酬の契約書で「キーワード差し替え自由」「検索ボリュームの下限条件なし」といった文言があると、極端にニッチなキーワードへすり替えられやすくなります。
成果報酬キーワードのチェックポイントを整理すると、次のようになります。
| 項目 | 安心ライン | 危険信号 |
|---|---|---|
| 検索ボリューム | 月間100以上が一定数含まれる | ほぼ10未満ばかり |
| キーワード種別 | 一般ワードや課題ワードも含む | ブランド名+地名だらけ |
| 契約文言 | 差し替え条件が明記されている | 代行側が自由に差し替え可能 |
ブランド名+地域名だけで「成果件数◯件達成」と言われても、売上インパクトは薄いまま請求だけ増える構図になりがちです。
内部対策費の中に、実はサーバー側の大工事が含まれていないケース
「内部対策費 月額◯万円」という見積りも、内訳を見ないまま契約すると痛い目を見ます。
典型的には、次のように“やると思っていた作業”が含まれていません。
-
大規模なリダイレクト設定
-
URL設計の見直し
-
サーバー設定変更(https化、www有無統一など)
-
ページ速度改善のためのキャッシュ設定や画像最適化
これらは多くの場合「制作会社」「インフラ担当」の領域と分離されており、SEO会社の内部対策費には入っていないケースが実務上かなり多いです。
| 費目名 | 現場でよくある実態 | 想定ギャップ |
|---|---|---|
| 内部対策費 | タイトル・ディスクリプション最適化、簡易な内部リンク調整 | サーバー設定も全部やってくれると思い込んでいる |
| サイトリニューアルSEO | URLマッピングとリダイレクト設計の指示書作成 | 実装作業も込みだと誤解されがち |
特にリニューアル時、SEOを意識せずにURLを変更してしまうと、検索流入が半減し、その“復旧コスト”で数十万〜数百万円が飛ぶ事例が少なくありません。見積り時に「誰がどこまで実装するか」を行単位で確認しておくことが必須です。
「月◯本コンテンツ制作」の単価が異様に安いときに起きること
「月10本記事制作込み」「1本あたり1万円以下」といったプランは、一見コスパが良さそうに見えますが、現場感覚からするとほぼ確実にどこかを削っています。
よく起きるのは次のパターンです。
-
キーワード調査をほとんどせず、テーマだけで量産
-
文字数だけ多いが、検索意図とズレた記事
-
外注ライターへの丸投げで、専門性が薄い
-
内部リンク設計やコンバージョン導線設計が皆無
| 単価感 | 現場で想定される作業範囲 |
|---|---|
| 1本1万円以下 | 軽いリサーチ+テキストのみ、構成は汎用テンプレ、CV導線はほぼ未設計 |
| 1本2〜3万円 | キーワード調査+構成案+画像選定、最低限の内部リンク設計 |
| 1本5万円以上 | 競合分析+ペルソナ設計+専門家監修+CV設計まで一体で設計 |
SEOコンテンツは「記事数」ではなく、「検索意図にどれだけ深く刺さるか」で勝負が決まります。単価が極端に安い場合は、どこまでやるのか(キーワード調査、構成、画像、内部リンク、CV設計)を項目ごとに確認し、抜けている部分を社内で補えるかを冷静に見極めてください。
モヤモヤする見積りほど、行間にリスクが隠れています。金額だけでなく、「この費用で何が起きて、何は絶対に起きないのか」をここまで分解してチェックできれば、余計な出費をかなりの確率で防げます。
Web担当者・社長・制作会社…立場別に変わる「SEO費用」の正しい問いの立て方
「このSEO費用、高いのか安いのか」ではなく、「このお金で何が起きて、何が起きないのか」を立場別に言語化しておくと、ムダな発注が一気に減ります。
私の視点で言いますと、“問いを揃えられる会社ほど、SEOで燃え尽きない”ケースが圧倒的に多いです。
社長視点:広告費とSEO費用を“同じ物差し”で比べるための3つの数字
社長が押さえるべきは、専門用語ではなく「財布ベースの3指標」です。
比べるべき3つの数字
-
1訪問あたりコスト(SEO想定)
-
1リード(問い合わせ・資料請求)あたりコスト
-
1受注あたりの利益(手残り)
例えば、広告とSEOを同じ土俵に乗せるときは、下のように整理します。
| 項目 | 広告(リスティング等) | SEO対策(月額30万想定) |
|---|---|---|
| 流入の立ち上がり | 早い | 遅い(3〜6カ月) |
| 1クリックあたりの費用感 | 数十〜数百円 | 直接コスト0円(実質は月額費用÷訪問数) |
| 止めた瞬間の流入 | ほぼゼロ | 緩やかに減る・維持もあり |
| 判断の物差し | CPA(獲得単価) | CPA+資産価値(記事・ページ) |
社長がSEO会社にぶつけるべき質問は、次の3つに絞ると軸がブレません。
-
「月額◯万円を1年続けるとして、1訪問あたりいくらを目指せる想定ですか」
-
「広告のCPAが◯円のとき、SEOでどこまで下げられそうですか」
-
「12カ月後に“資産”として残るコンテンツや内部改善は、何ページ・何本レベルですか」
この3つを数字で答えられない会社に、長期のコンサルティング契約を出すのは危険信号です。
Web担当者視点:上司が納得する“費用対効果の説明シナリオ”の組み立て方
Web担当・マーケ担当の本音は「社内説明が地獄」。ここを楽にするコツは、ストーリーを“3枚のスライド”に圧縮することです。
1枚目:現状と課題(データ)
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検索流入の割合
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主要キーワードの検索順位とクリック数
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競合サイトとの差(ページ数・コンテンツ量・被リンクなど)
2枚目:施策と費用(プラン)
-
月額◯万円の内訳(コンサルティング/コンテンツ作成/技術改善の比率)
-
自社リソースでやる部分と外注する部分
-
想定スケジュール(3カ月・6カ月・12カ月)
3枚目:成果イメージ(レンジで示す)
-
「検索流入◯%アップで、問い合わせ◯件増えるシナリオ」
-
「広告費◯万円を削減できる可能性」
-
「リニューアル時の“アクセス半減リスク”を回避する保険」としての価値
特に効果の説明では、「順位」ではなく「問い合わせや売上」に翻訳することが重要です。
| NGな説明 | OKな説明 |
|---|---|
| 「10位以内を目指します」 | 「月間検索◯◯回のキーワードで3位以内を目指し、月◯件のリード増を狙います」 |
| 「内部対策をします」 | 「お問い合わせページへの導線を増やし、既存アクセスからのCVRを◯%改善させます」 |
上司はSEOの技術用語より、「何カ月後に、いくらの売上インパクトがあり得るのか」にしか興味がありません。ここを先に数字で見せると、見積りの桁への抵抗が下がります。
制作会社視点:自社見積りにのせるSEO費用を“焼けどせずに”決めるコツ
制作会社ディレクターの悩みは、「SEOもやります」と言った瞬間に、責任だけ重くて単価は上がらないことです。
まず、見積りに書くべきSEO項目を「やることベース」で分解しておきます。
-
最低限セット(テンプレで必ず入れる)
- タイトル・ディスクリプション設計
- 基本的な内部リンク・パンくず・見出し構造設計
- サーチコンソール・アナリティクス設定
-
追加費用が必要な項目(必ず線を引く)
- 本格的なキーワード調査と情報設計
- コンテンツマーケティング用の記事作成
- サーバー側の大規模な内部対策(URL設計変更・リダイレクト・表示速度改善など)
これを明文化せずに「SEO対策 一式」と書くと、後から「そこまでやってくれると思っていた」トラブルになりがちです。
制作会社として単価を守るコツは、次のようなテーブルで事前にクライアントと共有することです。
| プラン | 概要 | 費用目安 | 含まれないもの |
|---|---|---|---|
| ベーシックSEO設計 | タイトル・メタ・構造設計 | 制作費の+10〜20% | 記事作成、サーバー設定変更 |
| 戦略SEO設計 | キーワード調査+構成案 | 20〜40万円〜 | 継続的な運用、外部リンク施策 |
| 継続SEO支援 | 月次コンサル+改善提案 | 月10〜30万円〜 | 新規制作費(別途見積り) |
「ここから先はSEO専業会社と組んだほうがいい領域です」と線を引ける制作会社ほど、長期的に信頼を獲得しています。
「高いSEO」と「高くつくSEO」は別物──よくある失敗シナリオとやり直しコスト
「料金は安かったのに、最終的なコストは高くついた。」
SEO費用の相談で一番多いのが、この“逆転現象”です。表面の相場だけ見て判断すると、リニューアル・外部リンク・コンテンツ制作で同じ落とし穴にハマります。
私の視点で言いますと、「最初に払う金額」ではなく「3年後に残るアクセスと売上」を軸に見るだけで、危ない見積りの7割は避けられます。
リニューアルでURLを変えた瞬間、検索流入が半減したサイトのケース
サイトリニューアル時にありがちなのが、「デザイン優先でURL設計をリセット」してしまうパターンです。
リダイレクト設計や内部リンクの再構築を外注せず、制作会社に丸投げすると以下のような事態になりやすくなります。
-
主要ページのURLが全て変更
-
旧URL→新URLの301リダイレクトなし
-
サーチコンソール未設定で異変に気づくのが遅れる
その結果、指名検索を含む自然検索流入が30〜50%落ちるケースは決して珍しくありません。
リニューアル時の「節約」と「復旧コスト」の差は、概ね次のようなレンジになります。
| 項目 | リニューアル時にケチった場合 | 事前にSEO設計を依頼した場合 |
|---|---|---|
| 追加費用 | 0〜10万円(その場では安い) | 30〜80万円(URL設計・リダイレクト・内部対策) |
| 想定ダメージ | 流入30〜50%減+復旧6〜12カ月 | 流入維持〜微増 |
| 復旧に必要な費用 | 50〜150万円のスポットコンサル | 追加ほぼ不要 |
「SEO対策 費用」を検討するなら、リニューアル時のSEO設計は“オプション”ではなく保険料と考えた方が現実的です。
安い外部リンクに手を出して、後から“リンク否認”に追われるパターン
いまだに「外部リンク◯本で月額◯万円」といったサービスが存在します。
費用だけ見ると魅力的ですが、実態は次のようなリスクを抱えています。
-
同じIP・同じテンプレサイトからの不自然な被リンク
-
アンカーテキストが「キーワードの羅列」一色
-
検索エンジンのアップデート時に一気に評価ダウン
一度大量の低品質リンクがつくと、リンク否認ファイルの作成・サーチコンソールへの登録・順位回復のモニタリングと、“後片付けコスト”が発生します。
| 外部リンクの費用感 | 目先のコスト | 後から発生しがちなコスト |
|---|---|---|
| 月3〜5万円の格安リンクプラン | 被リンク数だけは増える | 否認・監視で20〜50万円相当のスポット作業 |
| ホワイトハットなコンテンツSEO | 記事作成・企画に月10〜30万円 | 自然リンク・指名検索が中長期で積み上がる |
短期の順位アップだけを目的に外注するほど、「高くつくSEO」になりやすい領域です。
1年かけて記事を量産したのに、肝心のコンバージョン導線がスカスカなサイト
オウンドメディアやブログでよく起きるのが、「記事数は増えたが売上は増えていない」ケースです。
原因の多くは、コンテンツとコンバージョン設計が完全に分離していることにあります。
ありがちな状態を整理すると、次のようになります。
-
SEO記事は月10〜20本作成している
-
キーワード選定は「検索ボリューム優先」
-
問い合わせページへの導線がフッターに1リンクだけ
-
どの記事から何件問い合わせが生まれているか計測していない
この状態だと、月額30〜50万円のコンテンツ制作費を1年かけて投入しても、「アクセスは増えたが財布の中身は変わらない」という結果になりがちです。
| 1年運用の比較 | コンテンツ量産型 | 導線設計込みのSEO |
|---|---|---|
| 投下費用 | 年間360〜600万円 | 年間360〜600万円 |
| 記事の役割 | アクセス獲得だけ | アクセス+リード獲得 |
| 必須の設計 | キーワードと文字数 | CTA配置・LP設計・計測ツール設定 |
「seo 対策 費用」を検討する際は、記事単価だけではなく、1問い合わせあたりの獲得単価(CPA)まで設計できているかを確認しておくと、ムダ打ちをかなり防げます。
予算から逆算する:“月いくらなら何をして、どこを諦めるか”の現実ライン
「相場はいくらか」よりも大事なのは、「その月額で現場がどこまで本当に動けるか」です。ここを読み違えると、社長は「高いだけ」、Web担当は「回せないタスク山盛り」、制作会社は「赤字案件まっしぐら」になります。
まずはざっくり全体像から。
| 月額予算 | できることの軸 | 現実ライン | 割り切るポイント |
|---|---|---|---|
| 10万円前後 | 調査・設計中心 | 改善方針づくり+軽い内部対策 | コンテンツ量産は諦める |
| 30万円前後 | コンサル+実行 | 改善とコンテンツを毎月回す | 技術大工事は別予算に |
| 50万円以上 | 体制設計+内製化 | 内製チーム育成+実行支援 | 「丸投げ」ではなく共作にする |
月10万円:最低限「やる・やらない」を決めておくべき線引き
月10万円は、「方向性を定めるための投資」と割り切るラインです。ここで「コンサルもコンテンツも全部」は物理的に無理があります。
現実的に期待できる作業範囲の目安
-
競合・キーワード調査、サイト診断
-
優先度をつけた改善提案書の作成(ロードマップ)
-
テンプレレベルの内部対策(タイトル・ディスクリプション・見出し修正など)
-
月1回のオンラインミーティング+レポート
この予算で“まずやるべき”こと
-
自社で更新できる範囲を明確にしておく(CMSや社内リソースの確認)
-
「どのキーワード群を攻めるか」を社長・担当で合意する
-
制作会社なら、自社の制作フローに組み込めるSEOチェック項目を決める
逆に“やらない”と決めた方がいいこと
-
毎月の大規模なコンテンツ制作を外注で抱え込む
-
サーバー側の大掛かりな内部改修をこの枠内で済ませようとする
-
成果報酬SEOでキーワード選定を丸投げする
このゾーンは、「設計と優先順位付けをプロに頼み、手足は自社で動かす」が基本設計です。
月30万円:コンサル+コンテンツ+技術のバランスをどう配分するか
月30万円になると、「考えるだけでなく、毎月きちんと手を動かす」ことが現実的になります。ただし、配分を誤るとすぐに燃え尽きゾーンです。
代表的な配分パターン
| パターン | コンサル比率 | コンテンツ比率 | 技術(内部対策)比率 | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|
| 戦略重視型 | 50% | 30% | 20% | 新規事業・メディア立ち上げ |
| コンテンツ重視型 | 30% | 50% | 20% | オウンドメディア強化 |
| 技術重視型 | 30% | 20% | 50% | 大規模サイトの構造改善 |
月30万円で現場が動ける“リアルなボリューム感”
-
キーワード戦略の見直し(四半期に1回レベル)
-
月3〜6本程度のコンテンツ企画・編集(ライティングは内製 or 別予算にする場合あり)
-
優先度の高い内部改善(重要ページの構造整理、カテゴリ設計の修正など)
このラインの失敗パターンとして多いのは、「全部プロに書いてもらう前提」のコンテンツ依存です。単価が異様に安い記事量産に振ると、情報の質が伴わず、流入は増えても成約に結びつかないケースが頻発します。
制作会社ディレクターなら、「どこまでを自社制作費に含め、どこからをSEOコンサル費として分けるか」をここで明確にしておくと、赤字もクレームも減ります。
月50万円以上:内製化支援と組み合わせると“固定費を下げられる”設計
月50万円を超えてくると、「外注し続ける」か「育てて自走するか」で数年後の固定費が大きく変わります。
このレンジで狙えること
-
社内担当者への伴走型コンサル(週1ミーティング級)
-
社内ライター・ディレクター育成プログラム
-
テンプレ化されたSEOチェックフローの構築
-
大規模なリニューアル時の設計・要件定義支援
固定費を下げる設計のポイント
-
最初の半年〜1年は「内製チームの立ち上げ+型づくり」に投資する
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キーワード調査、構成案作成、内部リンク設計などを社内で回せるようマニュアル化する
-
外注会社には「検証と高度な技術領域」に絞って依頼する
私の視点で言いますと、このゾーンで失敗するのは、「50万払っているから全部やってくれるはずだ」と丸投げしてしまうケースです。結果として、社内にノウハウが蓄積されず、契約を切った瞬間にSEOが止まり、数年単位でみると固定費がむしろ高くつきます。
社長・Web担当・制作会社、それぞれが「自社のリソースでどこまで責任を持つか」を先に決め、その上で月10万/30万/50万のどこに自分たちがいるべきかを選ぶ。この順番で予算を決めると、「高くて損するSEO費用」はかなりの確率で避けられます。
「SEO会社に丸投げ」では必ず失敗する──社内が担うべき役割と外注すべき領域
「SEOも全部お任せで」…この一言から、費用だけが燃えて成果が残らないプロジェクトが量産されています。
SEO対策は会社側の“脳みそ”と、外注側の“手足”をどう分担するかで、ROIが桁違いに変わります。
まず全体像を整理します。
| 領域 | 社内が担うべき中枢 | 外注しやすい実務 |
|---|---|---|
| 戦略・キーワード | 事業戦略、顧客インサイト | 調査設計、検索ボリューム分析 |
| コンテンツ | 顧客の課題、専門知識 | 記事構成、ライティング、編集 |
| 技術的SEO | 触れる範囲の把握、優先度決定 | コーディング、サーバー設定提案 |
事業のことは社内にしか分からない:キーワード選定で絶対に丸投げしてはいけない理由
キーワード選定をSEO会社任せにすると、「検索ボリュームはあるけれど、自社の利益にならないテーマ」に費用が吸われがちです。
成果報酬型で起きがちな「ニッチワードすり替え問題」もここから発生します。
キーワード選定で社内が必ず握るべきポイントは次の3つです。
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どのサービスが、どの顧客セグメントの「どんな痛み」を解決するのか
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1件あたりの平均単価・粗利(問い合わせ1件の価値)
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営業が現場で実際に聞いている生の言葉
これを握らないまま「調査結果だけ」でキーワードを決めると、
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検索順位は上がる
-
しかし商談・受注が増えない
という「アクセスだけ増えて財布は痩せるサイト」になります。
社内と外注の役割分担イメージはこうなります。
| フェーズ | 社内の役割 | 外注の役割 |
|---|---|---|
| 方向性決定 | 事業目標、KPI、ターゲット整理 | 競合分析、検索ニーズ分析 |
| キーワード候補 | 営業・サポートが聞く生声を出す | ツールで検索ボリューム・難易度算出 |
| 最終決定 | 優先順位と「本当に売上に効くか」を判断 | グルーピング、マッピング |
私の視点で言いますと、「キーワードの最終決定権は社内が持つ」だけで、SEO投資の失敗確率は体感で半分以下になります。
コンテンツ制作:社内で書くか、外注するかの判断基準
コンテンツ制作は「全部自社で」も「全部外注」も極端です。
判断軸は専門性×リソース×単価の3つです。
| 種類 | 向いている執筆者 | 社内でやるべきか |
|---|---|---|
| ノウハウ記事(業界深め) | 現場のプロ、技術者 | 企画・骨子は社内、文章化は外注も可 |
| お役立ちコラム | Web担当、マーケ | テーマ決定と監修だけ社内、執筆は外注 |
| 事例・インタビュー | 営業、サポート | 取材は社内、テキスト整形は外注 |
指標としては、
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月額10万円ライン
- 社内で企画とキーワードを決め、外注はリライトや構成作成中心
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月額30万円ライン
- コンサルティング会社に戦略と編集長役を任せ、執筆は社内+外部ライターのハイブリッド
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月額50万円以上
- 内製チーム立ち上げ支援を含め、「書く人」を育てる投資まで視野に入れる
という配分が現場では現実的です。
チェックリストとして、次の3つのどれかに当てはまるテーマは必ず社内が関与してください。
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間違えると法務リスクや炎上リスクがある
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自社独自の強み・技術に強く関わる
-
商談で必ず話題にする「キラーコンテンツ」になりうる
技術的SEO:CMSとサーバー構成から“自社で触れる範囲”を見極める
技術的SEOは「どこまで自分たちで触れるか」を把握しないまま費用を出すと、
“サーバー側の大工事”が見積りからスッポリ抜けている事態が起きます。
まずは自社サイトの技術スタックを一覧にしておきます。
| 領域 | 代表例 | 社内で触れるか | 外注推奨度 |
|---|---|---|---|
| CMS | WordPress、独自CMS | 管理画面で設定変更可能か | テンプレ改修は外注しやすい |
| サーバー | レンタルサーバー、クラウド | FTPやコンソールに入れるか | 速度改善・常時SSLは外注が無難 |
| フロント | HTML/CSS/JS | 制作会社に依存しているか | 構造化データやCore Web Vitals対応は専門家推奨 |
技術的SEOで「丸投げNG」なのは優先順位の決定です。
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どのページが売上に効いているか
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モバイル速度やインデックスで、ビジネスに直結するボトルネックはどこか
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リニューアルやURL変更の予定があるか
この判断は、アクセス解析や売上データを握る社内にしかできません。
逆に、
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コードレベルの最適化
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サーバー設定
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構造化データの実装
といった「手を動かす部分」は、技術を持つ制作会社やSEO会社に外注した方が、時間も固定費用も節約できます。
SEO対策の費用は、「全部任せて楽をする代金」ではなく、社内と外注の役割設計にお金を払うものと捉えておくと、見積りの意味が一段クリアに見えてきます。
相談メール・チャットに頻出する「費用のモヤモヤ」をプロの目線で言語化してみる
「このSEO費用、安いのか高いのか分からないままハンコを押さされそう」——相談チャットで一番多いのは、この“もやっ”とした不安です。ここでは、現場で本当に飛んでくる質問を3パターンに絞って、そのまま返信文に使えるレベルの判断軸を整理します。
私の視点で言いますと、金額の妥当性より先に「この料金で現場がどこまで動けるか」を言語化できると、一気に迷いが減ります。
「他社から月3万円の見積もりが来たのですが…」と聞かれたときの回答パターン
月額3万円のSEO対策。Web担当者から一番届くのがこれです。まずは“この金額で何が起きないか”をはっきりさせるところから始めます。
多くのケースで、月3万円前後は次のような内容に収まりがちです。
| 項目 | 含まれがちな内容 | 担当者が期待しがちな内容 |
|---|---|---|
| 調査・分析 | 簡易なキーワード調査、順位チェック | 競合分析、検索ニーズ調査、戦略設計 |
| 内部対策 | タイトル・ディスクリプションの修正提案 | サイト構造見直し、URL設計、回遊改善 |
| コンテンツ | なし、または月1本程度の軽微修正 | 記事作成、LP制作、CV導線設計 |
| レポート | 月1の自動レポート+簡単なコメント | 改善提案付きの詳細レポート、打ち合わせ |
ここから導ける“プロのテンプレ回答”は、概ね次の3行です。
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3万円は「診断+軽いアドバイス」レベルで、コンテンツ制作や大掛かりな内部改修はまず含まれない金額帯です。
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「今のアクセスを大きく伸ばしたい」「新規リードを月◯件取りたい」といった売上目標があるなら、別途コンテンツや制作の予算が必要になります。
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見積書の「SEOコンサル一式」の中に、“毎月の具体作業”が1行単位で書かれているかを確認してみてください。書かれていなければ、その時点で質問した方が安全です。
社内説明用には、「3万円=定期健康診断」「30〜50万円=治療と筋トレまで含めた本格改善」の比喩が通りやすいです。
「とりあえずSEOも入れておいてと言われたのですが…」制作会社からの相談例
制作会社のディレクターから多いのがこの相談。「とりあえずSEO対策費 5万円」と見積書に1行足した結果、自社もクライアントも火傷するパターンが本当に多いです。
制作会社向けに整理すると、押さえるポイントは次の3つです。
-
自社で責任を持てる作業内容だけを“SEO費用”として書く
- 例:タイトル・ディスクリプション設計、基本的な内部リンク、モバイル対応チェック
-
それ以上の内容(キーワード戦略、継続的なコンテンツマーケティング、テクニカルSEO)は
「外部のSEOコンサルティングとして別枠見積り」に分ける
-
見積書には、「本プランに含まれない代表的なSEO施策」も明記しておく
(例:サーバー設定変更、大規模なURL再設計、月次レポート作成など)
-
「SEOもやります」の一文で済ませると、
→ クライアントは「上位表示も、集客も全部やってくれる」と解釈しがちです。
-
「この費用では、SEO施策のうちここまでを行います」と線引きを書くと、
→ 後々のトラブル防止+追加提案の余地が生まれます。
制作会社にとってのSEO費用は、“おまけの名目”ではなく、作業範囲を守るための防御線として扱う方が安全です。
「今の会社を続けるべきか、乗り換えるべきか」判断のための3つの質問
社長・Web担当・マーケ責任者、立場を問わず多いのがこの悩みです。
「費用対効果の不満」はあっても、何を基準に切るかが決めきれないことがほとんどです。
乗り換え判断のとき、必ず投げかけているのが次の3つの質問です。
- この1年で“具体的な施策リスト”はどれだけ増えたか
- レポートのページ数ではなく、「実際にサイトに反映された変更点」が何個あるかを棚卸しします。
- 検索流入・コンバージョン・問い合わせ単価のどれか1つでも改善したか
- 数%でも改善しているなら「戦略を微修正する段階」、
どれも横ばいor悪化なら「そもそもの戦略がズレている」可能性が高いです。
- 数%でも改善しているなら「戦略を微修正する段階」、
- キーワード選定とコンテンツ企画に“事業理解”が反映されているか
- 成果対象が「ブランド名+地域名」ばかり、
記事テーマが他社ブログの焼き直しばかりなら、乗り換え候補に入れて問題ありません。
- 成果対象が「ブランド名+地域名」ばかり、
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1と2で「動いているのに結果がゼロ」なら戦略の再設計を既存会社に要求するのが先。
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1と2と3の全てがNGなら、乗り換え前提で複数社から“作業範囲付きの見積り”を集める段階です。
この3問に数字と具体例で答えられるようになったとき、「なんとなく不満」だったSEO費用が、“投資として続けるか、損切りするか”の判断材料に変わります。
「それ、もう古いです」いまだに信じられているSEO費用の“業界神話”を解体する
「SEO対策にお金をかけているのに、なぜか成果が薄い会社」に共通するのは、施策より考え方が10年前で止まっていることが多いです。費用相場の話より前に、この“業界神話”を壊さない限り、どんなプランを選んでもお金が溶けていきます。
私の視点で言いますと、相談メールで見積書を確認するとき、まずチェックするのは単価ではなく「どの時代のセオリーで組まれた施策か」です。
下の3つは、いまだによく出てくる危険な考え方です。
「とりあえず外部リンクを買えばいい」は、いつの時代の話なのか
外部リンクを買えば順位が上がる時代は、Googleのアルゴリズムが今ほど賢くなかったころの話です。今は、不自然なリンクは資産ではなく“将来の負債”になり得ます。
代表的な違いを整理します。
| 項目 | 昔の外部リンクSEO | 今の検索エンジンの評価 |
|---|---|---|
| リンクの量 | 多ければ多いほど良い | 質と自然さが最重要 |
| 費用のイメージ | 月数万円で一気に順位アップ | 安価な大量リンクはリスク高 |
| リスク | ほぼ意識されていなかった | ペナルティ・リンク否認の工数発生 |
| 効果検証 | 順位だけ見て判断 | 流入・CV・売上まで見る必要 |
「SEO 対策 費用」が妙に安く、「外部リンク◯本保証」「被リンクサービス」などの表現が前面に出ている場合は、次の点を確認した方が安全です。
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どのサイトからリンクを獲得するのか、ドメインを具体的に開示できるか
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自然な編集記事として掲載されるのか、明らかな広告リンクか
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将来、リンク否認やドメイン整理の復旧コストが発生する前提でペイするか
安いリンク購入で一時的に順位が動いても、その後の否認作業やドメイン整理の工数が「後払いの高額請求」になっているケースが実務では多いです。
「月額レポートが厚い=しっかりやってくれている」という誤解
毎月50ページのPDFレポートが届くと、「これだけ分析してくれているなら安心だ」と思いたくなります。ただし、“厚み”と“施策量”は別物です。
| レポートの特徴 | 現場でよく見る実態 |
|---|---|
| グラフが大量 | 無料ツールからの自動出力を並べているだけ |
| 専門用語だらけ | 社内で誰も意思決定に使えていない |
| 改善提案が総論的 | 「コンテンツを増やしましょう」で終わる |
| 作業報告が曖昧 | 「内部対策を実施しました」の一行だけ |
Web担当者視点で見るべきは、レポートの厚さではなく「来月なにをやるかが1ページで分かるか」です。
チェックポイントは3つだけで十分です。
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「今月やった具体的な作業」がURLベースで列挙されているか
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「来月やること」が工数と優先度つきで書かれているか
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社長や上司に説明できるレベルまで日本語に翻訳された提案か
月額費用が10万〜50万円クラスでも、実態が「レポート自動生成+軽微な修正」だけというプランは珍しくありません。レポートを“成果物”として売ってくる会社は、一度作業内容と工数を細かく確認してみてください。
「SEOは一度やれば終わる“工事”」という発想が危険な理由
「リニューアル時にSEO設計してもらったから、もう大丈夫」と考えるパターンも、費用をムダにしやすい発想です。SEOを外壁塗装のような一度きりの工事と捉えると、次の落とし穴にはまりやすくなります。
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検索ニーズや競合サイトのコンテンツが毎月変化する
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自社のビジネスも、商品・サービスが半年〜1年でアップデートされる
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Googleの評価軸(コアアップデート)が年に数回変わる
にもかかわらず、サイトのコンテンツや内部構造を数年間ほぼ放置すると、「昔の要件で作られたホームページ」を高い固定費で守り続ける状態になります。
SEO費用を“工事費”ではなく、事業のアップデートコストとして見ると判断が楽になります。
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月額10万円前後
→最低限の技術チェック+優先キーワードのメンテ+簡易コンテンツ更新
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月額30万円前後
→コンサルティング+コンテンツ制作+内部改善の継続運用ライン
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月額50万円以上
→インハウス化支援を組み合わせ、社内チームの育成と固定費削減まで視野に入れるゾーン
SEOは「一度やって終わり」ではなく、「どこまで内製し、どこから外注するか」を毎年見直す継続戦略です。業界神話に引きずられたままでは、見積書の数字をどれだけ眺めても、正しい費用対効果にはたどり着きません。
執筆者紹介
主要領域はSEO費用構造と料金体系の分析。複数のSEO専業会社・デジタルマーケ会社・制作会社の公開情報を横断し、料金相場・失敗パターン・見積書の読み解き方を整理してきた立場です。特定企業の宣伝ではなく、「その金額で何が起きるか/起きないか」をフラットに言語化する判断支援コンテンツの執筆を専門としています。


