CMSでホームページ刷新する前に読む失敗しない選び方と運用術のコツ

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「CMSを入れれば、ホームページの更新は楽になって、集客も良くなるはず」
そう信じてリニューアルしたのに、数年後に残るのは、更新されないニュース、担当しか触れない管理画面、制作会社への細かい修正依頼メールだけ──このパターンに少しでも心当たりがあれば、今CMSを選び直さないこと自体が損失です。

中小企業の現場で起きている問題は、「どのCMSか」ではありません。
本当のボトルネックは次のような構造です。

  • 月に何回、誰が、どの情報を更新するのか決まっていない
  • 更新のたびに制作会社へメールし、見積と社内決裁で1〜2週間消える
  • WordPressの自動アップデートでレイアウトが崩れても、誰も直せない
  • 退職した担当だけがログイン方法と操作を知っていた

この構造を放置したまま「とりあえずWordPress」「無料CMSだからお得」と判断すると、リニューアル直後はそれらしく見えても、2〜3年後に保守コストと機会損失が積み上がります。逆に言えば、自社のスキルレベルと更新回数からCMSのタイプを選び、運用フローと分担を先に設計すれば、どのツールでも武器になるということです。

この記事では、CMSやホームページの「種類・機能紹介」には踏み込みません。
代わりに、現場で繰り返し観測されてきた次のような一次情報をベースに、実務ロジックだけを解説します。

  • HTMLサイト、WordPress、国産パッケージCMS、クラウド型サービスサイトそれぞれで本当に起きがちなトラブルと対策
  • 制作会社に毎回メールしている更新フローを分解し、見えないコストを可視化する視点
  • microCMSやSTUDIO、Wix、ヘッドレスCMSが「ハマる会社/破綻する会社」の境目
  • 無料ツールからのリニューアル時に、SEOとアクセスダウンを最小限に抑えるチェックポイント
  • CMSをあえて導入しない方が合理的な、小規模ビジネスのホームページ戦略

読み進めることで、単なるCMS比較ではなく、「自社の条件なら、どの構成と運用なら3年後も回り続けるか」を具体的に判断できるようになります。

セクション 読者が手にする具体的な武器(実利) 解決される本質的な課題
構成の前半(WordPress依存の危険性〜トラブル集〜運用メリット〜CMSタイプ選定) 自社のページ数・更新頻度・担当者スキルから、HTMLか汎用CMSかクラウドかを選び分ける判断軸。更新依頼メールに消えているコストを数え、割に合う運用体制を設計するための基準。 「どのCMSが良いか分からないまま、有名どころを選んで失敗する」「導入しても更新されない」「担当が変わるたびにサイトが止まる」といった構造的な失敗。
構成の後半(運用フロー設計〜費用とランニングコスト〜マーケティング連携〜ケーススタディ) 3年間のランニングコストとやりたい施策を前提にしたCMS選定シナリオ。MA・CRM・LP量産を見据えたWebサイト設計と、営業・採用・顧客対応を強化するための具体的な更新ルール。 「初期費用と月額だけでCMSを選んでしまう」「マーケティングツールとサイトがバラバラで成果につながらない」「自社の規模・業種に合う現実的な落としどころが見えない」状態。

CMSとホームページは、ツール選びよりも「更新と運用の設計」で勝敗が決まります。
ここから先では、制作会社任せの一般論ではなく、兼任Web担当や技術に強くない営業企画、クリニック・士業オーナーでもそのまま社内に持ち込めるレベルまで分解していきます。自社の現状を思い浮かべながら、最初のセクションから順に読み進めてください。

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  1. 「とりあえずWordPress」が危ない理由:CMSとホームページの関係を現場目線で解体する
    1. CMSとは何かを“更新”から説明する──HTMLサイトとの決定的な違い
    2. WordPress・国産CMS・クラウド型…種類ごとに「向く会社/向かない会社」
    3. 競合サイトが語らない「CMSを入れても成果が出ないWebサイト」の共通点
  2. 制作会社に毎回メールしていませんか?更新のたびに発生する“見えないコスト”を可視化する
    1. 典型的なメールのやり取りを分解する:見積・決裁・出社・確認に消える時間と雑務
    2. 「更新費用 月額◯万円」が高いのか安いのかを判断する3つのポイント
    3. LINE/メール相談の再現例:イベント情報を1行直すだけで1週間かかったケース
  3. CMS導入で本当に起きるトラブル集:退職・セキュリティ・表示崩れ…現場の“あるある”構造
    1. 担当が退職した瞬間に更新が止まるサイト:操作方法の属人化をどう断ち切るか
    2. 自動アップデートでレイアウト崩壊:オープンソースCMSのセキュリティと保守の現実
    3. 「ログイン情報が分からない」「どのボタンを押せばいいか怖い」拒否感が生まれる理由
  4. それでもCMSは強力な武器になる:中小企業が享受できる“本当のメリット”の引き出し方
    1. 営業・採用・顧客対応…社内の誰がどのコンテンツを更新すると効果が出やすいか
    2. コンテンツマーケティングとCVR向上:CMSで実現できるBtoBサイトの戦い方
    3. 1年後の成果を左右する「目次設計」とカテゴリ分けのプロ的考え方
  5. ツール比較より先に決めること:自社の“スキルレベル×更新回数”からCMSタイプを選ぶ
    1. ページ数・更新頻度・担当者スキルで分かる「HTML/汎用CMS/クラウド」の適性マップ
    2. microCMS・STUDIO・Wixなどクラウド系サービスサイトがハマるケース/ハマらないケース
    3. フルスクラッチ開発やヘッドレスCMSが検討対象になるのは、どんな会社か
  6. 「CMSを入れたのに放置される」失敗を防ぐ、運用フローと分担設計のリアル
    1. 出社している担当・在宅スタッフ・フリーランス…分業体制を前提にした運用設計
    2. 月次・週次・毎日更新…更新回数ごとに必要な時間と社内の業務分担を逆算する
    3. 災害・地震・台風時にも情報発信できるCMS運用──マルチデバイス&オフィス外からの対応
  7. 「無料だから」「有料だから」で選ぶと損をする:CMSの費用とランニングコストの正しい見方
    1. 初期費用だけでなく、3年間のランニングコストと“やりたい施策”で比較する
    2. 無料ツールからのリニューアルで、SEOダウンを最小限にするためのチェックリスト
    3. ライセンス・月額料金・サポート体制…見積書のどこを比較すべきか
  8. マーケティングツール連携まで見据えるなら:MA・CRM・広告運用とCMSの役割分担
    1. MA/CRMとWordPress・クラウドCMSをどうつなぐか:BtoB企業の現実的な選定ポイント
    2. LP(ランディングページ)量産時にCMSがボトルネックになるパターンと解決策
    3. ZMOT時代のコーポレートサイト:オウンドメディア/ブログ/サービスサイトの役割整理
  9. 実際にあった/起こりがちなケーススタディで学ぶ:自社はどのパターンに近いか?
    1. 製造業A社:HTMLサイトからCMS構築で問い合わせが増加した要因を分解する
    2. 小売業B社:無料サービスから国産パッケージCMSへ移行した際の“想定外の手間”
    3. クリニックC:あえてCMSを使わず、更新業務を削減して成功したコーポレートサイト戦略
  10. 執筆者紹介

「とりあえずWordPress」が危ない理由:CMSとホームページの関係を現場目線で解体する

「CMSなら更新しやすいらしい」「みんなWordPressだから安心」
中小企業の現場でこの空気感のままリニューアルを進めると、3年後に高確率でこうなります。

  • 更新が止まり、情報が古いまま放置

  • セキュリティ警告が出ても、誰も触れない

  • 社内で「ログイン画面を見るだけで憂うつ」という空気

原因はツール選定の前に、「誰が・何を・どれくらいの頻度で更新するか」が決まっていないことです。CMSとホームページの関係を、機能ではなく運用と社内体制から解体していきます。

CMSとは何かを“更新”から説明する──HTMLサイトとの決定的な違い

CMSを一言でいうと、「Webブラウザから更新できるように、編集画面をかぶせたホームページ管理システム」です。
現場で効いてくる違いは、次の3点だけ押さえれば十分です。

項目 静的HTMLサイト CMSサイト(WordPress・国産CMSなど)
更新方法 制作会社やエンジニアがファイル編集 担当者が管理画面から編集
更新のたびのコスト 外注費+メールや決裁の工数 社内工数中心(月額保守は別)
変更できる人 制作会社に依存しがち 社内メンバーを増やしやすい

重要なのは「CMS=自動でうまくいく魔法」ではなく、更新の入り口(編集画面)を誰にどこまで開くかを設計するツールという認識です。
ここを履き違えると、CMSを入れても結局メールで制作会社に「この文章を3行だけ変えてください」と送り続ける構造から抜け出せません。

WordPress・国産CMS・クラウド型…種類ごとに「向く会社/向かない会社」

現場でよく見るのが、「とりあえずWordPressにしておけば拡張性もSEOも安心」という誤解です。
実際には、企業の規模や担当者のスキル、更新頻度で適性がはっきり分かれます。

タイプ 向く会社 向かない会社
WordPress(オープンソース) 社内か外注で保守を任せられ、プラグイン選定を管理できる会社 担当が総務1人だけ、IT担当不在、セキュリティやアップデートを見られない会社
国産パッケージCMS BtoBで情報量が多く、長期運用を前提にサポートやマニュアルを重視する会社 初期費用を極限まで抑えたい、ページ数が少ない小規模事業
クラウド型CMS・STUDIO・Wix系 ランディングページやキャンペーンページをスピード重視で作りたいマーケティング担当 社内承認フローが重く、細かい権限管理やワークフローが必要な大企業

ペルソナ1〜3のような「兼任Web担当」「製造業の営業企画」「クリニックオーナー」の多くは、自社で保守できるかどうかが分岐点になります。
「なんとなくCMSの名前」で選ぶのではなく、「誰がどの画面まで触るのか」「保守をどこに任せるのか」を先に決めると、候補は自然と絞れていきます。

競合サイトが語らない「CMSを入れても成果が出ないWebサイト」の共通点

CMS導入後の相談で、現場で繰り返し見かける失敗パターンがあります。

  • CMSを入れたのに、更新テーマと発信ルールが決まっていない

  • 担当者が1人だけで、マニュアルもなく属人化している

  • ページ構成が「会社概要」「事業内容」「お問い合わせ」で止まり、コンテンツマーケティングに広がらない

  • 制作会社が「保守は別料金」と口頭だけで済ませ、数年後にセキュリティホールが放置される

  • SaaS型CMSでコンテンツが増え、2〜3年目に情報設計のやり直しが必要になっても、その工数が予算化されていない

共通するのは、CMS導入の目的が「制作の完了」で止まっていて、「運用とマーケティングの戦略」になっていないことです。
ホームページは制作した瞬間がスタートラインです。
どのCMSを選ぶかより前に、「3年後にどういう情報で顧客を獲得していたいか」「誰が月に何回、どんな記事を出すか」を決める企業ほど、ツールの差をものともせず成果を出しています。

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制作会社に毎回メールしていませんか?更新のたびに発生する“見えないコスト”を可視化する

「トップのバナー1枚差し替えたいだけなのに、なぜ半日つぶれるのか」。
ここで止まっている時点で、CMS導入の前に“社内の血栓”を取るチャンスがあります。

典型的なメールのやり取りを分解する:見積・決裁・出社・確認に消える時間と雑務

中小企業のホームページ更新で、現場で本当に起きているフローを分解すると、こうなります。

ステップ よくある動き 実働時間の目安 本来の仕事へのダメージ
1.依頼整理 社内で原稿・画像を集めてWordやExcelに貼る 30〜60分 営業・総務の手が止まる
2.制作会社へメール 趣旨説明+添付整理+社内共有CC調整 20〜40分 メール作業だけで疲弊
3.見積待ち 制作会社からの概算待ち カレンダーで1〜3日 情報発信のタイミングを逃す
4.社内決裁 稟議作成・上長説明・押印対応 30〜60分 管理部門の負担が増加
5.修正指示 テストアップを確認し、微修正を再依頼 20〜40分 「ここだけ直せますか」の往復が発生
6.請求処理 請求書確認・支払処理 15〜30分 経理のルーティンが増える

1回の「ちょっとした更新」で、担当者の実働は2〜3時間、カレンダー上は3〜7日止まるケースが珍しくありません。
しかもこの時間は、経営陣から見えないため問題化しにくいのが厄介です。

ここで重要なのは、作業時間の大半が「Web制作」ではなく「メールと社内調整」に食われている点です。
CMS導入は、この“メール地獄”をどこまで削れるかが勝負になります。

「更新費用 月額◯万円」が高いのか安いのかを判断する3つのポイント

「更新サポート 月額3万円」と聞いて、高いと感じるか安いと感じるかは、次の3軸で整理すると判断しやすくなります。

  • ①社内人件費との比較:時給×実働時間で見る

    総務や営業企画の担当時給が2,500円だとすると、先ほどのフローで2.5時間使えば、人件費は6,000円超。
    これが月3回発生すれば、メール更新だけで月2万円近い“社内コスト”が消えています。

  • ②ビジネスインパクト:1件の問い合わせ・1人の採用の価値

    BtoB企業では、1件の新規リードが数十万円〜数百万円の売上につながることもあります。
    採用ページの更新が1カ月遅れただけで、採用媒体費や人材紹介料が膨らむケースも多いです。

  • ③どこまでCMSで内製し、どこから外注するかの線引き

    「ニュース投稿は社内」「デザインを伴うLP制作は制作会社」というように、更新内容で役割分担を決めると、月額費用の妥当性が見えます。

ここを計算せずに「無料CMSが良い」「更新費用は安く」が先に来ると、結果的に高い人件費で“メール代行”をしている状態から抜け出せません。

LINE/メール相談の再現例:イベント情報を1行直すだけで1週間かかったケース

現場でよくあるケースを、少し具体的に追ってみます。
前提は「CMS未導入のHTMLサイト」「制作会社更新プランなし」の企業です。

  • 月曜午前

    • 営業企画が、展示会の日程変更に気づく
    • 上司から「ホームページも直しておいて」と指示
    • 過去のメールを遡り、制作会社担当のアドレスを探す
  • 月曜午後

    • イベントページのURLを探し、Wordにコピー
    • 「〇月〇日→〇月△日へ変更してください」とメール送信
  • 水曜

    • 制作会社から「軽微更新のため5,000円+税です」と見積メール
    • 社内で稟議が必要なため、総務へ回覧
  • 金曜

    • 決裁が降り、正式依頼
    • 制作会社「来週月曜に反映します」と回答
  • 翌週月曜

    • 表示を確認すると、年号だけ古いまま
    • 再度メールで修正依頼、反映は火曜

結果として、テキスト1行の変更に「1週間+担当者の実働3時間」
CMSで自社更新ができていれば、
「営業企画が管理画面にログイン→該当ページ編集→日付を直して保存」
これで5分〜10分、決裁も不要で終わります。

ここから見えてくるポイントは1つです。
“テキスト1行を直すたびに1週間ロスするホームページ”は、すでにマーケティングの足を引っ張っているという事実です。

CMS導入は「カッコいいサイトを作るツール」ではなく、
「メールと稟議で目減りしている時間とチャンスを、事業側に取り戻すための仕組み」として設計する必要があります。

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CMS導入で本当に起きるトラブル集:退職・セキュリティ・表示崩れ…現場の“あるある”構造

「CMSを入れた瞬間がゴール」のつもりでスタートすると、多くのホームページは3年以内に止まります。表面はきれいでも、裏側では担当退職・アップデート・ログイン拒否感が静かに進行し、ある日まとめて爆発します。

ここでは、現場で何度も見てきた“3大トラブル”を、原因と対策までセットで分解します。

担当が退職した瞬間に更新が止まるサイト:操作方法の属人化をどう断ち切るか

CMS導入後の最頻出トラブルは、派手なバグではなく「担当だけが操作方法を知っている状態」です。中小企業では総務や営業企画が兼任でWeb担当を任され、更新マニュアルも管理画面もその人の頭の中だけ、というパターンが非常に多いです。

属人化が起きる構造はシンプルです。

  • 制作会社が1人の担当だけに操作レクチャー

  • パスワードもその担当の個人メモ

  • 更新ルールはメールのやり取りに埋もれている

この結果、退職や異動の瞬間にCMSが「ブラックボックス化」します。

発生を防ぐには、ツール選定より運用ルールを先に決めます。

  • 管理画面のURL・ログイン情報・バックアップ情報を、社内の共有ツールに一元管理

  • 更新手順を「3ページの簡易マニュアル」と「5分の画面キャプチャ動画」で残す

  • 権限を「システム管理者」「編集者」に分け、最低2人以上にログイン権限を付与

特にWordPressや国産パッケージCMSは、ユーザー権限機能が標準装備されています。“1人仕様”にしない設計が、そのまま継続更新とSEO維持への近道になります。

以下の観点で、自社サイトをチェックしてみてください。

  • ログインできる人は何人いるか

  • 管理画面の場所とパスワードを、誰がどう管理しているか

  • 新任担当が1時間以内に更新方法を理解できる仕組みがあるか

自動アップデートでレイアウト崩壊:オープンソースCMSのセキュリティと保守の現実

WordPressに代表されるオープンソースCMSは、セキュリティ対策と機能拡張のために頻繁にアップデートされます。ここで起きやすいのが「更新ボタンを押したらレイアウトが崩れた」「トップページが真っ白になった」といったトラブルです。

構造的な理由は次の通りです。

  • 本体、テーマ、プラグインがそれぞれ別の開発元

  • jQueryやCSSなどフロント側の仕様変更が積み重なる

  • PHPやサーバーのバージョンアップとも連動する

特に、格安制作やフリーランス案件では「保守は別契約」「アップデートは自己責任」と口頭で済まされることが多く、2〜3年放置した後にまとめてアップデートして大崩壊、というケースが繰り返されています。

リスクを抑えるための実務的なポリシーをまとめると、次のようになります。

  • 本番とは別に検証用環境を用意し、まずそちらでアップデートをテスト

  • majorアップデート(メジャーバージョン)は制作会社かエンジニアに依頼

  • 使用プラグインを年1回棚卸しし、不要なものは削除

  • バックアップは「データベース」と「ファイル」の両方を自動取得

オープンソースCMSと国産クラウドCMSの保守イメージを、現場目線で対比すると次の通りです。

項目 WordPress等オープンソースCMS 国産クラウドCMS・SaaS
アップデート 自社または制作会社が実施 ベンダー側で自動対応
レイアウト崩れリスク テーマ・プラグイン依存で発生しやすい ベンダー検証済みが多く比較的低い
セキュリティ対策 プラグイン選定と設定が鍵 サービス側で標準対策、設定項目は限定的
保守費用の考え方 スポット対応か保守契約かを自社判断 月額利用料に保守を含むケースが多い

どちらが正解というより、「どこまで自社で面倒を見る覚悟があるか」で選定するのが現実的です。

「ログイン情報が分からない」「どのボタンを押せばいいか怖い」拒否感が生まれる理由

CMSそのものに問題がある前に、人の心理がブレーキを踏んでいるケースも非常に多く見られます。よく出てくる声は次の通りです。

  • 「管理画面が怖くて触れない」

  • 「どこを押したら公開されるか分からない」

  • 「もし会社のホームページがおかしくなったら責任を取れない」

中小企業の兼任Web担当は、Web制作の専門家ではありません。HTMLやCSSの知識もなく、WordPressの管理画面に並ぶメニューやプラグイン名は、飛行機のコックピットの計器のように見えます。

拒否感を減らすために効果が高いのは、「操作を簡単にする」よりも「失敗しても大丈夫な設計にする」ことです。

  • すべてのページで公開前プレビューを必須にする

  • 本番公開の権限は、限られた2〜3人だけに付与

  • 誤更新時に戻せるバージョン管理機能があるCMSを選ぶ

  • 「お知らせ」「ブログ」のような限定的なコンテンツだけ、現場担当が編集

クラウドCMSや国産パッケージの多くは、管理画面がシンプルで、誤操作を防ぐUI設計が進んでいます。一方、WordPressも適切な権限設計とカスタマイズを行えば、「担当者には入力フォームだけが見える」状態を作ることができます。

拒否感が強い組織ほど、「ツールを変える前に、画面に映る情報量と責任範囲を減らす」ことから着手した方が、結果的に更新頻度もSEO評価も伸びやすくなります。

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それでもCMSは強力な武器になる:中小企業が享受できる“本当のメリット”の引き出し方

「CMSを入れたのに、ホームページがただの会社案内で止まっている」
この状態から抜け出した瞬間、問い合わせ数や採用応募が一気に伸びるケースが現場では何度も起きている。鍵はツールより「誰が・何を・どのペースで更新するか」の設計だ。

営業・採用・顧客対応…社内の誰がどのコンテンツを更新すると効果が出やすいか

CMSの管理画面は「部署ごとの発信口」として割り当てた方が成果が出やすい。

【役割とコンテンツの基本マップ】

部署/担当 更新するページ例 ねらい
営業 事例紹介、導入事例、Q&A 商談前に信頼を作る
採用担当/総務 採用情報、社員紹介、制度紹介 応募者の不安を減らす
カスタマーサポート マニュアル、よくある質問 電話・メール問い合わせ削減
経営層 メッセージ、方針、コラム 価格ではなく「思想」で選ばれる土台

ポイントは、「制作会社に外注しないと書けない内容は、ほぼ成果に直結しない」という割り切り。現場の言葉をそのままCMSに打ち込める体制を作ると、更新スピードとSEOの両方が一気に改善する。

コンテンツマーケティングとCVR向上:CMSで実現できるBtoBサイトの戦い方

BtoB企業のWebマーケティングでは、「アクセス数」よりCVR(問い合わせ率)を上げる方が費用対効果が高い。CVRを押し上げるためにCMSでやるべき作業は次の3つに絞られる。

  • 比較検討中の検索ワードに対応した記事作成

    「製品名 価格」「サービス名 導入事例」など、営業が実際に受ける質問をそのままタイトルにしてページを作る。

  • 問い合わせ前の不安をつぶすコンテンツ

    費用の目安、導入までの流れ、サポート範囲、セキュリティ対策を、図や表で明文化する。

  • フォーム周辺の改善を継続できる仕組み

    フォームの項目削減、CTAボタン文言のテストを、CMS上で営業とマーケ担当が共同編集できるようにする。

これを月1本でも継続すると、「資料ダウンロード→MA/CRM連携→営業フォロー」という導線の質が上がり、広告費を増やさずにリード獲得数が増えるケースが多い。

1年後の成果を左右する「目次設計」とカテゴリ分けのプロ的考え方

検索上位のBtoBサイトと、埋もれているサイトの違いは「情報の並べ方」にある。CMSで最初にやるべきはデザインではなく、目次設計とカテゴリ設計だ。

【カテゴリ設計のチェックリスト】

  • 製品カテゴリとブログカテゴリを混在させていないか

  • 「お知らせ」に何でも突っ込んでいないか

  • ページ数が増えた時のパンくずリストやグローバルメニューのルールが決まっているか

  • 1カテゴリに最低5本以上の記事を入れる計画があるか

おすすめは、SEO用の「ナレッジ系カテゴリ」と、CVR用の「事例・導入カテゴリ」を分ける構成。前者で検索流入を取り、後者で「この会社に頼んでも大丈夫そうだ」と感じてもらう。

CMSはページを量産するツールではなく、「読まれる順番をコントロールするためのシステム」として設計すると、1年後の問い合わせ数がまったく違ってくる。

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ツール比較より先に決めること:自社の“スキルレベル×更新回数”からCMSタイプを選ぶ

「WordPressがいいですか?国産CMSですか?クラウドですか?」
この質問が出た時点で、多くのプロは心の中でブレーキを踏んでいます。
理由はシンプルで、ツールの名前より先に“社内で回せるか”を決めないと、ほぼ必ず更新が止まるからです。

ここでは、

  • 社員30名の兼任Web担当

  • 技術に強くない製造業の営業企画

  • クリニックや士業のオーナー

がそのまま社内会議に持ち込める「判断表」を用意します。

ページ数・更新頻度・担当者スキルで分かる「HTML/汎用CMS/クラウド」の適性マップ

まずは、難しい単語ではなく“ページ数×更新頻度×担当スキル”だけで引けるマップを前提にします。

下の表は、制作現場で何十件も見てきた結果を抽象化した「ざっくり適性」です。

条件の目安 おすすめタイプ ハマりやすい企業像 リスク
ページ数~20・更新は年数回・担当がIT苦手 静的HTML+制作会社更新 クリニック、士業、設備がメインのBtoB CMSを入れてもログインしないケースが多い
ページ数20~100・月1~4回更新・担当はWordやExcelは問題なし 汎用CMS(WordPress/国産CMS) 中小BtoB、採用強化中の会社 保守担当が不在だとセキュリティと表示崩れが蓄積
ページ数100以上・週1回以上更新・複数担当・将来MA連携も視野 クラウドCMS/国産パッケージCMS コンテンツマーケティングに本気の企業 3年目以降に情報設計のやり直しコストが発生しやすい

ポイントは1つだけです。「担当が月にどれだけ時間を割けるか」を数字で出してから選ぶこと。
例えば「総務の兼任担当が月3時間しか取れない」のに、WordPressで毎週ブログ更新を前提にすると、必ず破綻します。

判断の目安として、社内で次の3点だけはメモしておくと精度が一気に上がります。

  • 年間に追加・修正したいページ数(お知らせ含む)

  • 担当者1人あたり、月にホームページへ使える時間

  • 外注に回してよい上限コスト(月額)

これを決めてからCMSを検討すると、「なんとなく有名だから」が消え、ツール比較のブレが一気になくなります。

microCMS・STUDIO・Wixなどクラウド系サービスサイトがハマるケース/ハマらないケース

ここ数年、microCMS・STUDIO・Wixといったクラウド型サービスサイトを使った相談が一気に増えています。
ただ、現場で見ていると「ハマる会社」と「痛い目を見る会社」が極端に分かれます。

クラウドサービスがハマるケース 失敗しやすいケース
制作会社に毎回メールするのをやめたい 細かいレイアウトをピクセル単位で指定したい
更新担当が複数人いて、ブラウザだけで触りたい 社内にJavaScriptやAPIを触る人がいないのに、高度な連携を前提にしている
LPやキャンペーンページを頻繁に作る 特殊な業務システムと深く連携させたい
デザインよりスピードと運用効率を優先 「将来の拡張」をふんわり語るだけで要件が固まっていない

とくに、STUDIOやWixは「更新画面が圧倒的に分かりやすい」反面、情報構造が育ってきた2~3年目に再設計コストが跳ね上がるパターンが目立ちます。
ページが増えたタイミングで、

  • ナビゲーションが破綻

  • どこに何を入れるか担当が迷う

  • URLルールが統一されておらずSEO対策で苦労

といった“運用疲れ”が必ず来るからです。

クラウドCMSを選ぶなら、導入前にこの2点を紙に書き出してください。

  • 3年後、ページ数はおおよそ何ページになっていてほしいか

  • その時点で「誰がどの画面から更新するか」の役割分担

この絵が描けない状態でクラウドに飛びつくと、「初年度は快適、3年目から地獄」という典型パターンにはまりやすくなります。

フルスクラッチ開発やヘッドレスCMSが検討対象になるのは、どんな会社か

「ヘッドレスCMSが良いと聞いた」「フルスクラッチ開発で自由度を確保したい」
こうしたキーワードが会議に出たら、一度深呼吸してから下のチェックに目を通した方が安全です。

ヘッドレスCMSやフルスクラッチは、“運用の自由度”と引き換えに“社内スキルと予算”を要求する選択肢です。

  • 検討してよい会社の条件(目安)

  • 自社または長期パートナーにフロントエンドエンジニアがいる

  • MAやCRM、会員機能、複数サービスサイトなどを統合したい明確な戦略がある

  • 3年以上の保守費用・改善予算を年次計画に組み込める

  • 単なる「会社紹介」ではなく、Webを営業・採用の中核チャネルに据える意思がある

  • 避けた方がよいケース

  • 更新するのは総務や営業で、コーディングはできない

  • まずは会社概要と問い合わせフォームがあればよい段階

  • CMS導入そのものが初めてで、運用のイメージが湧いていない

ヘッドレスCMSは、「コンテンツを倉庫のように整理し、Webサイトやアプリ、MA、広告LPに柔軟に配信したい」企業向けのインフラです。
逆に、ページ数が少なく、更新も月数回であれば、静的HTMLや汎用CMSの方が圧倒的に“財布に優しい”選択になります。

ツール名から検討を始めるのではなく、

  1. ページ数
  2. 更新頻度
  3. 担当者のスキルと時間
    この3つをベースに「背伸びしないライン」を決めることが、CMS選定で失敗を潰す一番現実的な近道になります。
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「CMSを入れたのに放置される」失敗を防ぐ、運用フローと分担設計のリアル

ホームページが動くかどうかは、CMSの機能より「社内の家事分担表」でほぼ決まる。
ここを曖昧にしたままリニューアルすると、3カ月後に更新が止まる確率が一気に跳ね上がる。

CMS導入時にまず作るべきは仕様書ではなく、「誰が・いつ・何を更新するか」の運用設計だ。

出社している担当・在宅スタッフ・フリーランス…分業体制を前提にした運用設計

現場でよく見る失敗は「Web担当=何でも屋」にしてしまうパターン。
兼任の総務や営業企画に全部背負わせると、残業とともにCMSも沈む。

最低限、次の3役を分けて考えると運用が安定しやすい。

  • 企画担当:何を書くか決める(営業・採用・現場リーダーなど)

  • 編集担当:テキスト・画像を整える(広報・総務・在宅スタッフなど)

  • 入稿担当:CMSへ登録・公開する(操作に慣れた担当 or 制作会社)

この3役を、出社メンバー・在宅スタッフ・外部フリーランスでどう組み合わせるかを整理する。

役割 最適な人材の例 主な作業
企画担当 営業マネージャー、院長、所長 テーマ決定、ターゲット設定、掲載優先度決定
編集担当 総務、広報、在宅ライター 原稿作成、写真選定、法務・表記チェック
入稿担当 社内でCMSに慣れた人、制作会社、フリーランス CMS操作、カテゴリ設定、公開予約、簡易SEO

ポイントは「1人が3役を兼任してもいいが、“誰がどこまで”を文書にしておく」こと。
担当が退職・長期休暇に入っても、役割表があれば引き継ぎが劇的に楽になる。

月次・週次・毎日更新…更新回数ごとに必要な時間と社内の業務分担を逆算する

中小企業でCMSが回らない最大の理由は、「更新に何時間かかるのか」を誰も計測していないことだ。
感覚では「ちょっと直すだけ」でも、実際はメール確認や社内決裁を含めると1本あたり1〜2時間飛ぶケースが多い。

更新頻度ごとに、ざっくり必要な時間を逆算してみる。

更新頻度 典型的なコンテンツ例 1本あたりの目安時間* 想定すべき担当の工数感
月1〜2回 会社概要変更、採用ページ更新 1〜2時間 総務の月次業務の一部として確保
週1回 お知らせ、ブログ、事例紹介 2〜3時間 企画1h+編集1h+入稿1h
ほぼ毎日 ECの在庫・価格、ニュース配信 30分〜1時間 専任に近い担当 or 外注前提

*企画〜公開までのトータル。社内の承認フローが長いほど増加しやすい。

運用を設計する際は、次の順番で決めるとブレにくい。

  1. 事業上「最低限やりたい施策」を書き出す(採用情報・製品アップデート・イベント告知など)
  2. 施策ごとに「月何本」出すかを決める
  3. 1本あたりの時間を上の表を参考に見積もる
  4. 合計時間を、誰の週次スケジュールにどう割り振るかを決める

ここまで落とし込んで初めて、「この頻度ならCMSの操作は社内で、デザイン調整は制作会社に外注」といった冷静な判断ができる。

災害・地震・台風時にも情報発信できるCMS運用──マルチデバイス&オフィス外からの対応

災害や感染症流行時、「ホームページをすぐ更新できるか」は、もはやBtoB企業やクリニックの信用問題に近い。
ところが現場では、以下のような理由で更新が止まることが少なくない。

  • ログイン情報が社内PCのメモ帳だけに保存されている

  • 管理画面に社外ネットワークからアクセスできない設定になっている

  • 担当者が出社できず、操作方法を誰も知らない

このリスクを減らすために、CMS導入時から次の3点をルール化しておきたい。

  • マルチデバイス対応

    スマートフォンや自宅PCから管理画面に入れるかを必ずテストする
    →二要素認証やIP制限でセキュリティ対策をした上で、社外からの接続ルールを文書化する

  • ログイン情報の共有方法

    紙・付せん・個人PC保存を禁止し、パスワード管理ツールや社内規程に基づいて共有する

  • 非常時フローの簡易マニュアル

    「トップページの緊急バナー差し替えだけ」を切り出した“1枚マニュアル”を作り、総務・受付・広報など複数名が触れる状態にしておく

CMSは「平時の更新効率化ツール」であると同時に、「非常時に顧客とつながり続けるライフライン」でもある。
運用フローと分担設計をここまで落とし込んだホームページほど、長期的に見てROIが高くなりやすい。

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「無料だから」「有料だから」で選ぶと損をする:CMSの費用とランニングコストの正しい見方

「無料CMSか、有料パッケージか」で迷っている時点で、勝負の土俵を間違えています。中小企業が見るべきは、“3年間で、ホームページからどれだけ売上と業務効率を回収できるか”だけです。

初期費用だけでなく、3年間のランニングコストと“やりたい施策”で比較する

CMS選定でまずやるべきは、見積書の金額比較ではなく、3年間の総コストと施策メニューの棚卸しです。

3年間で必ず発生するコストの例

  • 初期構築費用(デザイン・テンプレート・開発)

  • 月額利用料・ライセンス費

  • 保守・セキュリティ対策(オープンソースならアップデート対応も)

  • 更新作業の人件費(社内担当+制作会社への外注)

  • 追加機能(フォーム・会員機能・MA/CRM連携など)の開発費

よくある失敗は、「無料CMSだから安い」と思い込み、社内担当の残業と制作会社への細切れ依頼で、3年後には有料CMSより高くついているパターンです。
現場では、下のような比較表で意思決定をしておくとブレにくくなります。

比較軸 無料CMS+制作会社スポット更新 有料クラウドCMS+サポート付き
初期費用 低め 中〜高
月額費用 ほぼ0〜低
保守・セキュリティ 社内or外注任せ ベンダー標準対応
更新スピード 毎回メール・見積で遅延しがち 社内更新前提で即日対応
向いている会社 更新頻度が年数回の名刺代わりサイト 月1回以上の更新をしたいBtoB企業

「やりたいマーケティング施策」(ブログによるコンテンツマーケティング、LP量産、採用情報の頻繁な更新など)を3年間でどれだけ打つかを先に決め、“1施策あたりのコスト”で比較するのが実務的です。

無料ツールからのリニューアルで、SEOダウンを最小限にするためのチェックリスト

無料ホームページサービスやWix等からCMSリニューアルする時、SEOダウンは設計次第でほぼコントロールできます。現場で実際に使われているチェック項目をそのまま載せます。

SEOダウン回避チェックリスト

  • 既存サイトの全URLとタイトルを一覧でエクスポートしておく

  • よく読まれているページ(アクセス上位20〜50件)を必ず引き継ぐ

  • 旧URL→新URLへの301リダイレクトを、1対1で設定する

  • パンくずリストとカテゴリ構造を、旧サイトより分かりやすく整理する

  • 画像ファイル名・altテキストを「商品名・サービス名」ベースで付け直す

  • Googleアナリティクス・サーチコンソールを事前に正しく設定し、移行前後で数値を比較する

  • サーバー速度・表示速度を、旧サイトより遅くしない(CLSやLCPも確認)

  • 「お問い合わせ」「資料ダウンロード」など、CVページの導線を必ず増やす

どのCMSを選ぶかより、このチェックリストを丁寧に潰したかどうかで、リニューアル後3〜6カ月のアクセス曲線がまったく違うのが現場の実感です。

ライセンス・月額料金・サポート体制…見積書のどこを比較すべきか

見積書の「一式」「保守費用 月額◯万円」という行だけを見て判断すると、ほぼ失敗します。
比較すべきは、“何が月額に含まれていて、何からが追加料金か”です。

見積書で必ず確認したいポイント

  • ライセンス・利用料金

    • アカウント数やページ数で料金が変わるか
    • 商用利用・PV数の上限はあるか
  • 保守・サポート範囲

    • CMS本体のバージョンアップ対応(WordPressならプラグイン含む)が入っているか
    • 緊急時(障害・攻撃・表示崩れ)の対応SLA(受付時間・初動時間)
  • 更新作業の含まれ方

    • 月額の中で、何ページ分まで更新代行が含まれるか
    • バナー作成・画像加工・フォーム追加などの単価
  • 解約条件

    • 最低利用期間・解約金の有無
    • 解約後もコンテンツデータをエクスポートできるか(自社資産として持ち出せるか)

「月額3万円は高い」と感じても、担当者の残業10時間と毎回の見積・決裁フローをまるごと削減できれば、トータルでは黒字というケースが、中小のBtoB企業では当たり前に起きています。
無料か有料かではなく、自社の業務とマーケティングをどれだけ軽くし、どれだけ顧客獲得に回せるかでCMSの費用を見直すと、選ぶべきツールが自然と絞り込まれていきます。

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マーケティングツール連携まで見据えるなら:MA・CRM・広告運用とCMSの役割分担

「cmsでホームページを作るか」ではなく、「マーケティングの司令塔をどこに置くか」を決める段階に来ている企業が増えています。BtoBならなおさら、CMSは“営業・マーケのインフラ”として設計した方が強いです。

MA/CRMとWordPress・クラウドCMSをどうつなぐか:BtoB企業の現実的な選定ポイント

現場で迷子になりやすいのが、MA・CRM・CMSの役割分担です。CMSに全部載せようとして、管理画面がカオス化するケースも頻発します。

MA/CRM連携を前提にしたときの、ツールごとの得意分野を整理します。

役割 WordPress系CMS 国産/クラウドCMS
フォーム〜リード取得 プラグインで柔軟だが、セキュリティ要注意 標準フォーム+MA連携テンプレが強い
MA/CRMとの連携方法 API・タグ埋め込み中心(要エンジニア) 主要MA/CRMとの公式連携が用意されがち
権限管理・承認フロー プラグイン依存、設計次第で属人化しやすい ワークフロー機能があり総務・営業も扱いやすい

BtoBで営業リストの質を上げたい会社ほど、次の3点をチェックすると選定ミスを減らせます。

  • MA/CRM側に「標準連携カタログ」があるか

  • サイトの問い合わせデータが、顧客単位でMA/CRMに自動で紐付くか

  • フォームの項目追加・ABテストを非エンジニアが自力でできるか

ここが曖昧なままWordPressを「とりあえず導入」すると、数年後にフォーム改修だけで毎回外注・見積→決裁ループが発生し、マーケ施策が鈍化します。

LP(ランディングページ)量産時にCMSがボトルネックになるパターンと解決策

広告運用が本格化すると、必ず「LPを毎月量産したい」というフェーズが来ます。このとき、CMSの設計が悪いと次のような詰まり方をします。

  • 1ページ作るたびに、制作会社へ依頼しないと公開できない

  • 広告用LPとコーポレートサイトでテンプレートが完全に別物

  • フォームの計測タグ追加で、毎回エンジニア待ちになる

ボトルネックを潰すには、「LP専用の更新レーン」を事前に用意する発想が有効です。

チェックポイント 望ましい状態
LPテンプレート数 マーケ担当だけで複製・編集できる
広告媒体ごとの計測タグ管理 管理画面からON/OFF切替、コード直接編集は不要
フォーム分岐 商品・キャンペーン別に、MA側で簡単に出し分け可能

WordPressなら「固定ページ+共通ブロック」、クラウドCMSなら「LP用コンテンツタイプ」を用意し、マーケ担当が1時間で1本作れる導線を作ると、広告ROIが一気に安定します。

ZMOT時代のコーポレートサイト:オウンドメディア/ブログ/サービスサイトの役割整理

検索で比較検討する「ZMOT(ゼロモーメントオブトゥルース)」の段階では、1枚のホームページで信頼を勝ち取るのはほぼ不可能です。役割を分けて、CMSで一元管理する方が成果につながります。

  • コーポレートサイト:会社の信頼・採用・IR

  • サービスサイト:製品・料金・導入事例

  • オウンドメディア/ブログ:課題別の解説記事・ホワイトペーパー誘導

ここを1つのCMSに押し込む際のポイントは、「カテゴリではなく目的」で分けることです。

セクション 主な目的 MA/CRMとの連携軸
コーポレート 会社への信頼・採用エントリー 求人媒体・採用管理ツール
サービス 案件獲得・資料請求 商談化率や案件種別
オウンドメディア リード育成・ナーチャリング メルマガ、スコアリング、セグメント

「cms ホームページ」を選ぶ段階で、ここまで役割を描いておくと、後からMA/CRMを載せ替えても土台が崩れず、営業・マーケ・総務が同じ“情報インフラ”を共有できるようになります。

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実際にあった/起こりがちなケーススタディで学ぶ:自社はどのパターンに近いか?

「どのCMSが良いか?」よりも先に、「うちの会社はどのパターンなのか?」を見極めた方が、ホームページ戦略は一気にラクになります。現場で繰り返し見てきた3タイプを分解します。

製造業A社:HTMLサイトからCMS構築で問い合わせが増加した要因を分解する

製造業では「図面変更のたびに制作会社へメール」「技術資料のPDF差し替えで1週間待ち」が典型パターンです。HTMLサイトからCMS導入で問い合わせが増えたケースでは、次の3点が共通していました。

  • 誰が何を更新するかを先に決めた

  • 製品ごとの“型”をCMSのテンプレート化

  • 営業が更新できるレベルに編集画面を絞り込んだ

観点 HTMLサイト時代 CMS導入後
更新担当 制作会社のみ 営業企画+総務
更新頻度 四半期に1回 週1〜2回
更新内容 会社概要・ニュースのみ 製品事例・技術コラム中心

問い合わせ増加の「理由」は、CMSそのものよりも、“営業の頭の中のノウハウ”をそのままWebコンテンツ化できる運用フローを作ったことにあります。CMSはその器でしかありません。

小売業B社:無料サービスから国産パッケージCMSへ移行した際の“想定外の手間”

「無料ホームページサービスから卒業して、ちゃんとした国産CMSへ」という小売のリニューアルで、必ずといっていいほど発生するのが次の手間です。

  • URL構造が変わり、リダイレクト設計とSEO対策が必須

  • 過去の画像サイズ・altテキストがバラバラで、移行時に整理作業が発生

  • 店舗スタッフがスマホから更新していたため、新CMSの管理画面に慣れるまで時間がかかる

想定していた作業 実際に発生した作業
デザインリニューアル 旧URLの洗い出しと301リダイレクト設定
コンテンツ移行 全商品ページのタイトル・ディスクリプション見直し
CMSの初期設定 スタッフ向けマニュアルと更新ルールの作成

「無料→有料CMS」は機能的にはグレードアップですが、情報設計とデータ整理の宿題が一気に噴き出すフェーズでもあります。移行プロジェクトを組まず、片手間でやろうとして失速するケースが目立ちます。

クリニックC:あえてCMSを使わず、更新業務を削減して成功したコーポレートサイト戦略

CMS導入が“正義”とは限りません。特にクリニックや士業では、更新内容が「診療時間・休診情報・数本のお知らせ」だけというパターンも多くあります。

この場合、次の判断が合理的になることがあります。

  • 月1回未満の更新なら、静的HTML+制作会社の更新代行の方がトータルコストが安い

  • CMSのログイン・パスワード管理や、セキュリティ対策(アップデート)が負担になりやすい

  • 医師や士業本人が原稿を書く時間がボトルネックで、ツールを変えても更新頻度は上がらない

条件 CMSが向く CMSをあえて使わない方が良い
更新頻度 週1以上 月1未満
担当者スキル PC作業に抵抗がない ログイン操作すら負担
目的 集客・SEO強化 最低限の情報公開と信頼確保

「CMSを入れるかどうか」は、更新頻度×担当者スキル×業務負荷の掛け算で考えると判断を誤りにくくなります。自社がA・B・Cどのケースに近いかを一度冷静に棚卸しすると、次の一手がクリアになります。

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執筆者紹介

中小企業のCMS選定と運用設計を主要領域とし、HTMLサイトからWordPress・国産CMS・クラウド型までの導入後に起こりがちな失敗パターンを構造化してきた制作者です。ツール比較より「誰が・どの頻度で・どう更新するか」という運用を軸に、制作会社任せにしない現実的なWeb担当者視点の考え方だけを記事に落とし込んでいます。

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