CMSの種類で失敗しない実務者向け現場トラブル完全防止ガイド入門

スポンサーリンク

あなたの会社のWebサイトは、「とりあえずWordPress」で静かにコストを漏らしていないか。
情シス不在の中小企業で、Web担当が1〜2人しかいない体制なら、CMS選びの失敗は3年分の更新機会と担当者の時間を丸ごと失うのと同じ意味を持つ。

多くの「CMSの種類」解説は、オープンソースかクラウドか、パッケージかヘッドレスかというタイプ別の機能比較表で終わる。
しかし実務では、次のようなところで損失が発生している。

  • 退職した前任者だけがプラグインとサーバー設定を把握しており、触るのが怖くてサイトを更新できない
  • 高機能な商用CMSを導入したのに、管理画面が複雑すぎて結局すべて制作会社に依頼→1更新あたりの総コストが増加
  • クラウドCMSに乗り換えたが、「テンプレートの壁」とセキュリティ要件の後出しでカスタマイズと追加開発に予算が吸い取られる

ここで効いてくるのは、
WordPressか、SaaSか、ヘッドレスかといった「種類」ではない。
運用フロー、権限設計、更新頻度、MA/CRMとの連携方針を前提にしたCMS選定かどうかだ。

このガイドは、単なるCMSの一覧紹介やメリット・デメリットの羅列ではない。

  • オープンソースCMS、クラウドCMS、パッケージCMS、ヘッドレスCMSそれぞれで現場に実際に起きているトラブル
  • 「WordPressでオウンドメディアを作りたい」「クラウドならSEOとセキュリティは全部お任せできますか」といった相談メールやLINEのすれ違い
  • プロが導入前に必ず確認する7つの質問(サイトの目的、コンテンツ計画、担当者スキル、セキュリティ要件、システム連携など)

を素材に、「この条件なら、このCMSタイプは避けるべき」という判断ラインまで具体的に落とし込んでいる。

この記事を読み進めることで、あなたは次の2つを手にする。

  • CMSの種類ごとの特徴を「機能」ではなく自社の体制と予算とリスクに結びつけて判断する視点
  • 3年後のリニューアルや多言語展開、会員サイトやBtoBリード獲得施策を見据えた将来のやり直しコストを避ける選択基準

その結果、
「無料だからWordPress」「国産だから安心」「とりあえず有名どころのクラウドCMS」
といった一般論ベースの選び方から卒業し、現場の更新ストレスと炎上リスクを最小化するCMS導入が現実的な選択肢になる。

この記事全体のゴールを、先に整理しておく。

セクション 読者が手にする具体的な武器(実利) 解決される本質的な課題
構成の前半(運用のリアル〜種類別トラブル〜相談事例〜7つの質問) 自社のWebサイト運用体制とCMSタイプ(オープンソース、クラウド、パッケージ、ヘッドレス)の相性を見抜き、「やってはいけない選び方」を事前に排除できる判断軸 「CMSの種類」と機能比較だけを見て決めてしまい、導入後に更新不能・権限設計ミス・セキュリティ要件の後出しで疲弊する構造的な失敗
構成の後半(成功パターン〜チェックシート〜将来戦略) チェックリストとタイプ診断表を使い、自社条件から最適なCMS候補を絞り込みつつ、3年後の多言語・EC・会員制・MA/CRM連携を見据えたサイト戦略を描ける 「とりあえず安く」「とりあえず有名」で選び、リニューアルのたびに構築費用と社内工数を繰り返し浪費してしまう負のループ

ここから先は、CMSの種類を「知る」ためではなく、自社のWeb資産を守り、成果を出すためにどの選択肢を捨てるかを決めるプロセスとして読み進めてほしい。

スポンサーリンク
  1. CMSの「種類」だけ見て選ぶと危ない理由──まず押さえたいWebサイト運用のリアル
    1. CMS導入で本当に変えたいのは“種類”ではなく更新現場のストレス
    2. 情シス不在の企業がハマる「とりあえずWordPress」思考の落とし穴
    3. 制作会社の提案書に隠れている、重要だけど軽視される要件とは
  2. オープンソース・クラウド・パッケージ・フルスクラッチ…CMSの主要4タイプを「運用目線」で整理し直す
    1. オープンソースCMS(WordPress / Drupal / Joomla)の使いどころと限界
    2. クラウドCMS・SaaS型(microCMS / STUDIO / ferret One など)の“月額”の中身を分解する
    3. パッケージCMS・商用CMS(HeartCore / BlueMonkey / PowerCMSなど)が活きるサイト規模とガバナンス
    4. フルスクラッチ・ヘッドレスCMS(Headless / Kuroco等)は誰のための選択肢か
  3. 「一覧」で比べるだけでは見抜けない、CMS比較の危険な勘違い3パターン
    1. CMS機能一覧とシェアだけを見て決めると、なぜ失敗率が上がるのか
    2. 「無料=お得」「有料=安心」という単純な費用発想が招く落とし穴
    3. セキュリティ要件・多言語対応・EC連携が“後出し”になった時に起きること
  4. 現場で実際に起きているCMSトラブル集:種類別に見る“ありがちな事故シナリオ”
    1. A. オープンソースCMS:プラグイン地獄と担当者退職でサイトが触れなくなるケース
    2. B. クラウドCMS:テンプレに収まりきらない要件で“カスタマイズの壁”にぶつかるケース
    3. C. パッケージCMS:高機能すぎて日々の更新がほぼ外注のまま終わるケース
    4. D. ヘッドレスCMS:マーケチームが「プレビューが怖い」と感じて手を出せなくなるケース
  5. 相談メール・LINEの実例から読み解く、「そのCMS、本当に目的に合っていますか?」
    1. 「WordPressでオウンドメディアを立ち上げたいのですが…」という典型的な質問文の裏にある本音
    2. 「クラウドCMSにすればSEOやセキュリティ対策は全部お任せできますか?」へのプロの返答
    3. 「予算は年間◯◯万円まで。どのタイプが現実的ですか?」というやり取りに潜むすれ違い
  6. 専門家がまず確認するのは“用途”と“体制”──CMS選定で聞かれる7つの核心質問
    1. Q1〜Q3:Webサイトの目的(CV・リード・採用・ブランディング)に関するヒアリング
    2. Q4〜Q5:運用メンバーのスキル・分業体制(制作会社と自社の境界線)
    3. Q6〜Q7:セキュリティ・システム連携(MA・CRM・会員管理)に関する見落としがちな要件
  7. 「うまくいったCMS導入」の裏で実はやっていること:更新頻度・CVRが伸びる現場の共通点
    1. 成功事例に共通する、“CMS導入前”のサイトマップ・導線・コンテンツ企画の仕込み
    2. 更新担当の“怖さ”を減らす管理画面設計と、マニュアルより効くオンボーディング
    3. CMSとMA/CRMを連携したBtoBリード獲得サイトで起きていること
  8. もう「CMSの種類」で迷わない:自社の条件から逆算するチェックシート&ナビゲーション
    1. スキル・体制・予算・セキュリティから見たCMSタイプ診断表
    2. 「この条件ならこのタイプは避けた方がいい」現場目線の赤信号リスト
    3. それでも迷う場合に専門家に投げるべき“最低限の情報セット”
  9. CMS導入後3年を見据えた「将来のWeb戦略」と、今あえて選ばない方がいい選択
    1. コーポレートサイト・サービスサイト・オウンドメディアの役割分担とCMS選定
    2. 将来の多言語・EC・会員制サイトへの拡張をどう前提に入れるか
    3. 「とりあえず安く」「とりあえず有名どころ」の先に待っているやり直しコスト
  10. 執筆者紹介

CMSの「種類」だけ見て選ぶと危ない理由──まず押さえたいWebサイト運用のリアル

「WordPressが一番メジャーらしい」「クラウドCMSは月額だけ見れば楽そう」──ここで判断してしまうと、多くの中小企業は3年後に「更新も改修も身動きゼロ」の状態に追い込まれます。
理由はシンプルで、失敗の9割は“CMSの種類”ではなく“運用設計”から始まるからです。

多くの現場で、本当に問題になっているのは次の3つです。

  • アカウント管理がぐちゃぐちゃ(退職者のIDで今も運用)

  • 権限設計が甘く、誰でも本番ページを壊せる

  • 更新フローがなく、修正依頼がメールと口頭で散乱

この3つが崩れていると、どんな高級パッケージCMSでも「使いにくいツール」に堕ちます。

CMS導入で本当に変えたいのは“種類”ではなく更新現場のストレス

CMS選定前に、一度だけ「現場のストレスマップ」を描き出してみてください。

  • 原稿はどこで迷子になるか

  • 画像差し替えに何人関わっているか

  • 更新依頼から公開までの平均日数

ここを可視化すると、「実はCMSを変える前に、承認フローと管理画面設計を整えた方が早い」というケースがかなり多いと分かります。

見直すポイント ありがちな現状 目指す状態
原稿の受け渡し メール・チャットで散乱 CMS上で下書き・コメント一元管理
画像差し替え 担当者が都度制作会社へ依頼 担当者自身が管理画面から更新
承認フロー 上長の「OK出た?」が口頭 承認ステータスをCMSで可視化

CMS導入の目的は「ページを量産すること」ではなく、「更新の心理的ハードルを下げること」です。ここを外すと、どの種類を選んでも空振りします。

情シス不在の企業がハマる「とりあえずWordPress」思考の落とし穴

中小企業のWeb担当が最初に口にしがちな言葉が「まずは無料でWordPressで」。
実務では、ここから次のような崩壊パターンが繰り返されています。

  • 担当者が独学でプラグインを積み増し

  • 2〜3年後、その担当が退職

  • 残されたのは、誰も触れないブラックボックスサイト

WordPress自体が悪いのではありません。「誰が」「どこまで」「どう保守するか」が決まらないまま導入することが問題です。

チェック項目 Yesなら要注意
プラグインの選定基準を文書化していない
テーマ・プラグインの更新担当が個人名になっている
バックアップ取得と復旧手順を書いた資料がない

この3つすべてにチェックがつく状態で、「とりあえずWordPress」を選ぶのは、鍵をかけないまま高価な金庫を買うようなものです。

制作会社の提案書に隠れている、重要だけど軽視される要件とは

多くの見積書を見ていて、炎上案件に共通するサインが1つあります。
それが、「検証・テスト」と「運用設計」の工数がほぼゼロになっている提案です。

見積書で必ず確認したいのは次の3行です。

  • アカウント設計・権限設計ワークショップ

  • 本番運用を想定したテストシナリオ作成

  • 更新マニュアル+オンボーディング(レクチャー)の時間

これらが含まれていない場合、導入後に起きるのは「ツールは入ったのに、誰も安全に触れない」という状況です。
CMSの種類より先に、「運用設計にどこまで踏み込む会社か」を比較軸に置くことが、失敗を避ける最短ルートになります。

スポンサーリンク

オープンソース・クラウド・パッケージ・フルスクラッチ…CMSの主要4タイプを「運用目線」で整理し直す

「どれが高機能か」ではなく、「どれなら自社の1〜2名体制で回せるか」。ここを外すと、どのCMS種類を選んでもじわじわ破綻します。

まずは4タイプを“運用担当の胃痛度”で整理します。

タイプ ざっくり費用感 運用の自由度 ガバナンス 向いている企業像
オープンソース 初期安〜中 / 月額安 非常に高い 自前で設計必須 担当が技術寄りの中小
クラウドCMS 初期低〜中 / 月額中 中〜高 ベンダー標準に乗る 情シス不在の中小
パッケージCMS 初期中〜高 / 月額中 高いが設計前提 非常に高い 多拠点・グループ企業
ヘッドレス/フルスクラッチ 初期高 / 月額変動 最高だが難度高 設計次第 デジタル投資積極企業

オープンソースCMS(WordPress / Drupal / Joomla)の使いどころと限界

オープンソースは「材料費タダのフルオーダースーツ」に近い選択です。型紙(CMS本体)は無料でも、仕立てと採寸(設計と実装)に手間がかかります。

向いているケース

  • 自社にHTMLやPHPを「怖がらない」担当がいる

  • 制作会社と長期で付き合い、保守契約も結べる

  • プラグイン選定やアップデート方針を、きちんとルール化できる

限界・よくある落とし穴

  • プラグイン追加で短期的には楽になるが、3年後に「何を入れたか誰も覚えていない」状態になりがち

  • 担当者退職+引き継ぎ不足で、管理画面が“ブラックボックス”化する

  • セキュリティ要件が後から強くなった瞬間、改修コストが跳ね上がる

オープンソースは、「運用設計とアカウント管理を自社で握る覚悟があるか」が採用の分かれ目です。

クラウドCMS・SaaS型(microCMS / STUDIO / ferret One など)の“月額”の中身を分解する

クラウドCMSの月額費用は、単なる「レンタル料」ではありません。保守・アップデート・セキュリティ・サーバー運用を“まとめ買い”しているイメージが近いです。

月額に含まれがちな中身

  • サーバー・CDN利用料とバックアップ

  • セキュリティパッチやバージョンアップの自動反映

  • 管理画面UIの継続改善(地味に効く)

  • メール・チャットによるサポート

相性が良い企業像

  • 情シス不在、Web担当1〜2名の中小企業

  • LPやオウンドメディアで「まずは更新頻度を倍にしたい」企業

  • BtoBマーケティングでMA/CRMとの連携を見据えている企業

注意したいポイント

  • テンプレートの制約を越えた瞬間、実装費が跳ね上がる

  • 「月額払っているからSEOもセキュリティも全部お任せ」と誤解すると危険

  • データのエクスポート方法と、解約時の扱いは事前確認が必須

クラウドCMSは、「自社でやらない作業」をお金で外に出す選択と捉えると判断しやすくなります。

パッケージCMS・商用CMS(HeartCore / BlueMonkey / PowerCMSなど)が活きるサイト規模とガバナンス

パッケージCMSは、「多拠点・多部門サイトを一括管理するための管制塔」として真価を発揮します。コーポレートサイト、採用サイト、IR情報、サービスサイトを一元管理したい上場企業やグループ企業でよく選ばれます。

強み

  • ワークフロー・承認フロー・ロール権限が標準で充実

  • 多言語や多ドメイン対応、ステージング環境が前提設計

  • アクセス権やログ管理など、監査対応を意識した機能

よくある失敗パターン

  • 高機能すぎて、Web担当が日々の更新を自力で行えず、結局制作会社に依頼

  • 1更新あたりの総コスト(担当者工数+制作会社費用)が、旧サイトより高くなる

  • 「承認フローが複雑すぎて、プレスリリース公開がいつもギリギリ」という事態

パッケージCMSが活きるのは、「権限設計とガバナンスをきちんと設計・運用する体制がある」企業です。中小企業が「なんとなく安心そう」で選ぶと、宝の持ち腐れになりやすいタイプでもあります。

フルスクラッチ・ヘッドレスCMS(Headless / Kuroco等)は誰のための選択肢か

ヘッドレスCMSやフルスクラッチ構築は、「コンテンツは1カ所で管理し、Web・アプリ・デジタルサイネージなど複数チャネルへ配信したい」企業向けの選択肢です。

向いているケース

  • BtoBでMAやCRM、会員管理システムとの高度な連携が必須

  • SPA(シングルページアプリ)やJamstack構成で高速表示を追求したい

  • 社内にエンジニアチームがあり、API連携やJavaScriptフレームワークに抵抗がない

現場で起きがちなギャップ

  • 管理画面と実際のページ表示が分かれすぎていて、マーケ担当が「どこを触るとどこが変わるのか怖い」と感じる

  • プレビューやドラッグ&ドロップ編集が弱く、更新スピードが落ちる

  • 実装フェーズでフロントエンドとバックエンドの調整コストが膨らむ

ヘッドレスCMSは、「技術的自由度と引き換えに、運用のわかりやすさを自前で設計する必要がある」選択肢です。マーケチームとエンジニアチームのタッグが組めない環境では、確実にハードモードになります。

スポンサーリンク

「一覧」で比べるだけでは見抜けない、CMS比較の危険な勘違い3パターン

カタログ比較だけでCMSを選ぶのは、内見なしでオフィスを契約するようなものです。きれいに見えても、引っ越した瞬間に「コンセント足りない」「会議室が取れない」という運用事故が連発します。

ここでは、情シス不在の中小企業が本当によくハマる“3つの思い込み”を、現場視点でバッサリ解体します。

CMS機能一覧とシェアだけを見て決めると、なぜ失敗率が上がるのか

よくある選び方は「機能一覧表+シェアランキング」。しかし現場で炎上する案件の多くは、機能不足ではなく“運用設計不足”が原因です。

代表的な視点抜けを整理すると、こうなります。

見ている項目 本当は先に見るべき“運用の現実”
投稿機能の有無、ページ数の上限 誰が・どの頻度で・どのレベルのHTML知識で更新するか
標準搭載のSEO機能 コンテンツ企画・導線設計・分析まで回す体制があるか
導入企業数・CMSシェア 自社と同じ規模・ガバナンスの企業でうまく回っているか

特にWordPressは「とりあえず」で入れやすいが、プラグインの乱立+担当者退職で「怖くて触れない管理画面」になりがちです。
逆に、パッケージCMSやクラウドCMSは高機能でも、更新フローを決めずに導入すると「結局、制作会社に毎回依頼して月額と別に請求が積み上がる」状態になりやすい。

ポイントは、機能一覧を見る前に「更新の1日」をシミュレーションすることです。
例えば次を紙に書き出してみてください。

  • 採用情報を1件追加するのに、何ステップ発生するか

  • 社長インタビュー記事を公開するまで、何人の承認が必要か

  • 画像差し替えを、非デザイナーが自力でできるか

これが3〜4ステップで収まらないなら、機能表がどれだけリッチでも“運用負け”します。

「無料=お得」「有料=安心」という単純な費用発想が招く落とし穴

CMSの費用は「ライセンス」よりも運用の手間と外注コストの方が財布に効きます。
それでも現場では、次のような決め方が横行しています。

  • 無料オープンソースCMS

    →「予算ないし、無料ならリスク小さいよね」

  • 有料パッケージ/クラウドCMS

    →「上場企業も使っているし、安心そう」

しかし、実務の数字を分解すると印象が逆転します。

タイプ 初期費用イメージ ランニングで効いてくる“見えないコスト”
オープンソース(WordPress等) 低〜中 プラグイン保守、サーバー管理、脆弱性対応、担当者退職時の引き継ぎ
クラウドCMS・SaaS 標準機能に合わせるための要件妥協、テンプレ限界を超えた時の追加開発
パッケージCMS・商用 中〜高 更新画面が難しく、結局「更新=外注」となり1ページ単価が高止まり

実際に、安く始めたつもりのWordPressが、3年後には「保守・改修の合計でクラウドCMS並みの月額」になっているケースは珍しくありません。
逆に、月額が高く見えるクラウドCMSでも、「CMS導入+運用設計の見直し」で更新頻度が2〜3倍に増え、1リードあたりコストが半減する例も出ています。

判断の軸は「無料か有料か」ではなく、1更新あたりの総コスト(社内工数+外注費)です。
最低でも次の2つを出してから比較してください。

  • 1カ月あたりの想定更新回数

  • 1回更新するのに、社内・外注で何時間・何円かかるか

ここが見えないままCMSを決めると、「安く買って高く運用する」最悪パターンにまっすぐ進みます。

セキュリティ要件・多言語対応・EC連携が“後出し”になった時に起きること

現場で一番冷や汗をかくのが、このパターンです。

  • リニューアル完了間近

  • 親会社や情報システム部門から「セキュリティ基準」を急に提示される

  • オープンソースCMSではNGとなり、商用クラウドやヘッドレスCMSへの乗り換えが必要に

多言語対応・会員制サイト・EC連携も同じ落とし穴があります。
最初は「日本語だけのコーポレートサイト」としてWordPressで構築したものの、後から次のような要件が出てくるケースが多いです。

  • 海外拠点が増え、多言語展開と権限分離が必須に

  • BtoBマーケティング強化で、MAやCRMとの連携が必要に

  • 採用強化で、応募フォームとデータベースの一元管理が求められる

このタイミングで「実は選んだCMSでは厳しい」と判明すると、CMS入れ替え+デザインとテンプレートの作り直しになり、最初のリニューアル費用と同レベルのコストが再発生します。

後出し要件を防ぐには、CMS選定前に最低限、次を整理しておくことが重要です。

  • 3年以内に想定される

    • 多言語対応の有無
    • EC・会員機能の可能性
    • グループ会社・親会社からのセキュリティ要求
  • 社外システム(MA、CRM、SFA、基幹システム)との連携候補

CMSの種類を比較する前に、「将来のやりたいことリスト」をざっくりで良いので書き出しておくと、乗り換えリスクの高い選択肢を初期段階で外せるようになります。

スポンサーリンク

現場で実際に起きているCMSトラブル集:種類別に見る“ありがちな事故シナリオ”

まず、タイプ別にどこで炎上しやすいかを一望できるように整理する。

CMSタイプ よくある事故ポイント 主な原因 初期構築時にやるべき対策
オープンソース プラグイン更新不能・誰も触れない 担当者依存、権限とルール不在 更新ルールと責任者の明確化、必須プラグインの棚卸
クラウドCMS テンプレの限界で機能が詰まる 要件定義不足、将来像を未整理 デザインと要件の優先度付け、制約の事前検証
パッケージCMS 更新できず外注コスト増大 管理画面が現場のスキルと不一致 実運用メンバーでの操作トライアル
ヘッドレスCMS マーケ側が運用を放棄 プレビューと権限設計が弱い プレビュー仕様と更新フローの設計

A. オープンソースCMS:プラグイン地獄と担当者退職でサイトが触れなくなるケース

「とりあえずWordPressで」の結果、3年後に待っているのがこのパターンだ。

・プラグインが20~30個入り、どれが重要か誰も説明できない
・管理画面に入れるのは退職した担当者だけが知るID
・サーバー情報が共有されておらず、制作会社も把握していない

この状態でリニューアル相談が来ると、現場では次のステップを踏むことが多い。

  • まずログイン情報と契約情報の洗い出し(サーバー、ドメイン、テーマ、プラグイン)

  • プラグインを「絶対必要」「代替可」「削除」の3分類に振り分け

  • アップデートテスト用の検証環境を別サーバーに用意

トラブルの根本原因はCMSの種類ではなく、アカウント管理と運用設計の欠如だ。
「誰が」「どこまで触るか」を更新フローとして文章化しておかないと、担当者退職のタイミングで一気にサイトが“ブラックボックス化”する。

B. クラウドCMS:テンプレに収まりきらない要件で“カスタマイズの壁”にぶつかるケース

クラウドCMSは「初期費用を抑えたい」「セキュリティをベンダーに任せたい」企業と相性が良い一方、テンプレート前提の設計がボトルネックになることがある。

・BtoBリード獲得のためにMAツールと細かく連携したい
・採用ページだけは独自デザインと動きを実現したい
・多言語サイトを将来追加したいが、管理画面構造が1言語前提

このギャップが表面化するのは、多くの場合「サイト公開から半年〜1年後」だ。

  • 新しい施策を考える度に「それはテンプレ上できません」と言われる

  • 結局、LPだけ別サービスで構築し、データが分散

  • 社内のマーケティングデータ分析が困難になる

クラウドCMS導入前には、「やりたいことの上限」をどこまで許容するかを決めておくことが重要だ。今ある要件ではなく、1〜2年内に想定される施策案を最低5個は洗い出してから検証環境で試すと失敗率が急激に下がる。

C. パッケージCMS:高機能すぎて日々の更新がほぼ外注のまま終わるケース

パッケージCMSは権限管理やワークフロー、承認フローが強力で、上場企業やグループ企業のコーポレートサイトと相性が良い。ただし、中小企業が「安心そうだから」と導入すると、次のような事態になりやすい。

・ニュース1本更新するにも、入力項目が多すぎて担当が怖がる
・ページ作成権限が数人に集中し、ボトルネックになる
・結果として「更新依頼→制作会社→見積→更新」という旧来フローに逆戻り

こうなると、1ページあたりの実質コストは次のように跳ね上がる。

項目 金額イメージ 見えやすさ
制作会社への更新費用 1〜3万円/ページ 見積で見える
社内調整工数 数時間〜1日 社内コストで見えにくい
公開までのリードタイム 3日〜2週間 機会損失として埋もれる

パッケージCMSを選ぶ際は、機能一覧よりも「広報担当が自力で触って3回更新テストをしたか」を重視した方が良い。テスト更新でストレスを感じる管理画面は、半年後には確実に放置される。

D. ヘッドレスCMS:マーケチームが「プレビューが怖い」と感じて手を出せなくなるケース

ヘッドレスCMSは、フロントエンドを自由に開発できるため、ReactやVueを使ったサービスサイト、複数チャネルへのコンテンツ配信には強力な選択肢になる。ただし、情シス不在の企業が「モダンらしいから」と採用すると、更新現場で悲鳴が上がる。

・管理画面で入力しても、どのページのどこに反映されるか直感的に分からない
・プレビューが開発環境と本番で違い、怖くて公開ボタンが押せない
・フィールド名がエンジニア向けで、マーケ担当には意味不明

結果として、マーケ側は次のような行動に出る。

  • 「バナー1枚差し替えたいだけなのに、毎回エンジニアに依頼」

  • コンテンツ企画よりも「更新依頼書作成」に時間を取られる

  • せっかくのMAやCRM連携も、施策が回らず宝の持ち腐れ

ヘッドレスCMSで事故を防ぐポイントは、管理画面の情報設計とプレビュー設計をUXとして捉えることだ。フィールド名を「H1見出し」「一覧用リード文」のように日本語で整理し、プレビューも「どのテンプレートに反映されるか」を図で共有してから運用を始めると、マーケ側の心理的ハードルが一気に下がる。

スポンサーリンク

相談メール・LINEの実例から読み解く、「そのCMS、本当に目的に合っていますか?」

「WordPressでオウンドメディアを立ち上げたいのですが…」という典型的な質問文の裏にある本音

よく届く相談は、書き出しがほぼ同じだ。

「WordPressでオウンドメディアを立ち上げたいのですが、うちのような中小企業でも運用できますか?」

この一文の裏側には、だいたい次の本音が隠れている。

  • 失敗したくないから「一番メジャーなCMS」に乗っておきたい

  • 制作会社に全部は任せられないが、自社だけでやり切る自信もない

  • SEOとリード獲得はやりたいが、具体的に何をするかはまだ固まっていない

ここでプロが必ず確認するのは、「WordPressを使うか」より先に「オウンドメディアで何を増やしたいか」だ。PVなのか、BtoBリードなのか、採用応募なのかで、必要な機能も運用体制も変わる。

よくある崩壊パターンはこうだ。

  • 最初は制作会社がきれいに構築

  • 半年後、担当者が退職

  • プラグイン更新が止まり、セキュリティリスクが急上昇

  • 触るのが怖くなり、結局ブログ更新が止まる

このパターンを防げるかどうかは、CMSの種類ではなくアカウント管理と権限設計でほぼ決まる。

代表的な確認ポイントを整理するとこうなる。

確認したいポイント プロが見る観点 向いているCMSタイプの傾向
記事本数/月 担当者の執筆時間とレビュー体制 10本以上ならクラウドCMSも検討
記事の質 校正フローの有無 ワークフロー機能のあるパッケージも有利
社内スキル HTML編集の可否 非エンジニア中心ならヘッドレスは慎重に
退職リスク 引き継ぎ手順の有無 アカウント/ロール管理がしやすいものを優先

「WordPressを使うべきか」を聞かれた時、現場のプロが答えを出す順番は、CMSの名前は最後だ。最初に見るのは、「3年後にこの会社で誰が更新しているか」という、超現実的な未来像である。

「クラウドCMSにすればSEOやセキュリティ対策は全部お任せできますか?」へのプロの返答

次に多いのがこの質問だ。

「クラウドCMSにすればSEOやセキュリティ対策は全部お任せできますか?」

この一文には、こんな期待と誤解が混ざっている。

  • サーバー管理をしたくない

  • セキュリティインシデントで怒られたくない

  • SEOで失敗したくないので「CMS側でなんとかしてほしい」

ここでプロが必ず伝えるのは、クラウドCMSの月額料金の正体だ。ざっくり分解すると次のようなイメージになる。

月額で支払っているもの 実態 よくある勘違い
インフラ・サーバー パッチ適用、スケール、監視 すべての脆弱性がゼロになるわけではない
アプリのアップデート 機能追加、バグ修正 自社サイトのSEO施策まで自動最適化されるわけではない
サポート 管理画面の使い方や障害対応 コンテンツ戦略やCV設計の相談まで含まれるとは限らない

クラウドCMSを入れたからといって、タイトルの付け方、導線設計、CVポイントの設計といったマーケティングの中身は、自社か制作会社がやるしかない。ここを丸投げした結果、「クラウドCMSに変えたのに成果が出ない」という不満が生まれやすい。

逆に、クラウドCMSで成功している企業には共通点がある。

  • CMSリニューアルと同時に、サイトマップと導線を全面的に見直している

  • 記事テンプレートに、CTAや内部リンクの「型」を埋め込んでいる

  • MAやCRMと連携し、問い合わせ以外のリードポイントも可視化している

CMSは「車のボディ」、SEOとセキュリティの多くは「運転とルール」に近い。ボディを良くすると安全には寄与するが、ノーブレーキで走れば当然事故る。ここを誤解したままクラウドCMSを導入すると、「高い車を買ったのに事故った」という残念な結末になりやすい。

「予算は年間◯◯万円まで。どのタイプが現実的ですか?」というやり取りに潜むすれ違い

最後によく来るのが、このシンプルな相談だ。

「予算は年間100万円まで。どのCMSの種類が現実的でしょうか?」

この問いで、プロと発注側の前提が激しくズレていることが多い。

  • 発注側の「予算100万円」

    • 初期構築費+CMS利用料+保守サポートを全部ひっくるめた総額イメージ
  • 制作会社側の「予算100万円」

    • 多くの場合、初期構築の制作費だけを指している

ここを合わせないまま話が進むと、リリース後に必ずこうなる。

  • 見積書には「検証・テスト」「運用設計」の工数がほぼ入っていない

  • リリース後、想定外の運用課題が噴出

  • 結果として、1更新あたりの総コストがじわじわ上がる

予算の会話でプロがよく使うのは、「構築費」と「3年分の運用費」に分解する表だ。

項目 典型的に抜けがちな費用 CMS種類との関係
初期構築 テンプレート設計、権限設定、テスト どのCMSでも必須、安く削ると炎上リスク増
月次運用 記事作成、バナー差し替え、ABテスト 更新の多いサイトは操作が簡単なCMSが有利
保守・アップデート バックアップ、アップデート検証 オープンソースほど手間が読みにくい
戦略・改善 アクセス解析、CV改善施策 CMSの種類に関係なく、ここを削ると成果が止まる

この表を一緒に見ながら、こう質問すると、話が一気にクリアになる。

  • 「この100万円、どこまでを含めた金額として想定していますか?」

  • 「3年間で見た時の総額は、いくらまで許容できますか?」

CMSの種類選びで迷っているつもりが、実は「何にお金をかけて、何を自社でやるか」という配分設計で迷っているケースは非常に多い。ここを整理してしまえば、オープンソースかクラウドかパッケージか、といった話は、むしろ後から自然と収束していく。

スポンサーリンク

専門家がまず確認するのは“用途”と“体制”──CMS選定で聞かれる7つの核心質問

CMSの種類を決める前に、プロはまず「何をしたいか」と「誰が回すか」を執拗に聞き込みます。ここを曖昧にしたままWordPressやクラウドCMSを選ぶと、3年後に“やり直しコスト”で泣くことになります。

質問No 質問の軸 ねらい
Q1〜Q3 目的 何のためのサイト・CMSかを数値レベルで固定する
Q4〜Q5 体制 誰がどこまで自社で運用できるかを見極める
Q6〜Q7 ガバナンス セキュリティ・連携要件で選択肢を絞る

Q1〜Q3:Webサイトの目的(CV・リード・採用・ブランディング)に関するヒアリング

まず、次の3つをかなり具体的に聞きます。

  • Q1:このサイトの最重要CVは何か

    例:資料ダウンロード、問い合わせ、会員登録、EC購入など。ここが曖昧だと、テンプレ中心のクラウドCMSでフォームやMA連携が詰まります。

  • Q2:1年後にどれくらいのリードや応募数を狙うか

    「今の2倍」レベルでも良いので、数値を置きます。CVR改善を狙うなら、A/BテストやLP量産に向いたCMSを優先します。

  • Q3:このサイトの役割分担

    コーポレートサイトなのか、サービスサイトなのか、オウンドメディアなのか。役割が混ざるほど、ヘッドレスやパッケージCMSで「コンテンツ構造を整理してから作る」必要が高まります。

Q4〜Q5:運用メンバーのスキル・分業体制(制作会社と自社の境界線)

トラブルの多くは「運用設計不足」が原因です。そこで、次を必ず確認します。

  • Q4:運用メンバーのスキルマップ
スキル 社内でできる 制作会社頼み
画像の差し替え・テキスト更新 ○/× ○/×
新規ページ作成(レイアウト調整) ○/× ○/×
フォーム追加・タグ設定 ○/× ○/×
プラグイン・アプリ追加 ○/× ○/×

ここで×が多いのに、フルカスタマイズ可能なオープンソースCMSを選ぶと、更新のたびに制作会社へ連絡→見積→社内稟議という「更新スピード激遅ループ」に入ります。

  • Q5:誰がどこまで責任を持つか
  1. コンテンツ企画は誰
  2. 管理画面での承認フローはどうするか(作成→校閲→公開)
  3. アカウント管理と権限設計を誰が見るか

ここが決まっていない案件ほど、リリース後に「誰も触れなくて放置」「担当退職でブラックボックス化」が起こります。

Q6〜Q7:セキュリティ・システム連携(MA・CRM・会員管理)に関する見落としがちな要件

最後に、後出しされがちな“爆弾”を先に確認します。

  • Q6:セキュリティポリシーと運用ルール

  • 親会社・グループ会社の情報システム部門のチェックは入るか

  • サーバーは国内必須か、クラウド(SaaS)利用はOKか

  • パスワードポリシーや二要素認証の必須条件はあるか

ここでNGが出ると、オープンソース→商用クラウドCMS・パッケージCMSへの“作り直し”が現実になります。

  • Q7:外部システムとの連携要件
連携先 必須か 将来あり得るか
MA(例:マーケティングオートメーション) Yes/No Yes/No
CRM・SFA Yes/No Yes/No
会員管理・ポイント管理 Yes/No Yes/No

BtoBリード獲得が目的なら、MA連携やフォームのタグ設計がしやすいCMSかどうかが勝負所になります。ここを曖昧にしたまま「とりあえずWordPress」で始めると、後から「ヘッドレスCMSに乗り換え+MA連携」の二重コストが発生するパターンが目立ちます。

この7問を丁寧に詰めるだけで、「CMSの種類比較」以前に、候補から外すべきタイプがはっきり浮き彫りになります。

スポンサーリンク

「うまくいったCMS導入」の裏で実はやっていること:更新頻度・CVRが伸びる現場の共通点

CMS導入が“神施策”になる現場には、共通して3つの仕込みがあります。種類選びで悩む前に、この3つをどこまで描けるかで、勝敗がほぼ決まります。

成功事例に共通する、“CMS導入前”のサイトマップ・導線・コンテンツ企画の仕込み

成果が出ている企業は、CMS導入前から「どのページに、どんな人を、どこから連れてきて、どこで口説くか」をかなり具体的に決めています。言い換えると、CMSは“入れ物”であり、先に動線設計とコンテンツ企画を固めている状態です。

典型的な準備の流れは次の通りです。

  • 目的別にコーポレートサイト・サービスサイト・オウンドメディアを分解

  • 主要導線(TOP→サービス→事例→問い合わせ)のパターンを紙に書き出す

  • 各導線で「どんな情報があれば次のページに進むか」を洗い出す

  • それをベースにサイトマップとカテゴリ構造を設計

この時点で、成功している現場は「更新頻度を上げるべきページ」と「ほぼ固定でいいページ」を分けています。ここを曖昧にしたままCMSを入れると、「全部CMSで更新できるように」=設計が肥大化し、初期費用も運用ストレスも一気に膨らみます。

サイトマップ設計の成熟度をざっくり判定する指標を置いておきます。

状態 サイトマップ設計レベル ありがちなCMSの失敗
ラフな箱だけ ページ名だけ並んだ構造 実装後に「この導線じゃCVしない」と作り直し
導線まで定義 入口〜CVまでの道筋を明文化 テンプレ設計が的確で更新が迷子になりにくい
コンテンツ案まで定義 記事・事例のテーマ案まで一覧化 公開初月から更新ペースを維持しやすい

更新担当の“怖さ”を減らす管理画面設計と、マニュアルより効くオンボーディング

情シス不在の中小企業で更新が止まる一番の理由は、「壊しそうで触れない怖さ」です。CMSの種類よりも、管理画面の“怖くなさ”が更新頻度を左右します。

現場で効いているポイントは、この3つです。

  • 入力項目を減らす

    記事作成画面で、実際に毎回触るのは「タイトル・本文・アイキャッチ・カテゴリ」程度に絞る。SEO系の細かい設定は、テンプレと自動生成で吸収する。

  • ページ別に“やっていいこと・ダメなこと”を分ける

    コーポレートの会社概要は権限を絞り、ブログやお知らせは広く権限を配るなど、壊れると困るページほどロックする設計にする。

  • 「最初の1時間の伴走」に全力を振る

    厚いマニュアルより、リリース直後にオンラインで30〜60分、「一緒に2本記事を入れてみる」オンボーディングの方が、定着率ははるかに高いという現場感があります。

更新担当の心理を前提に、管理画面に盛り込める工夫の例です。

  • 入力フォームのラベルを「meta description」ではなく「検索結果に出る説明文(80〜120文字目安)」と書く

  • プレビュー画面を実ページとほぼ同じ見た目に合わせ、「公開しても大丈夫そう」と直感で判断できるようにする

  • 「公開」「下書き」に加えて「要レビュー」ステータスを用意し、上長チェックのワークフローをCMS側で完結させる

CMSとMA/CRMを連携したBtoBリード獲得サイトで起きていること

BtoBのリード獲得サイトで成果が伸びている企業は、CMSを“問い合わせフォームの前段にあるマーケティング装置”として設計しています。MAやCRMとの連携で、次のような変化が起きています。

Before(CMS単体) After(CMS+MA/CRM連携)
問い合わせフォーム1本のみ 資料ダウンロード・ウェビナー・メルマガ登録など複数CVを用意
アクセス解析はPVと直帰率中心 MAで「どの企業が、どの記事を何回見たか」を可視化
メルマガは一斉配信のみ 閲覧コンテンツに応じてシナリオ配信・スコアリングを実施

特に効いているのが、「コンテンツとフォームの紐付け方」です。

  • オウンドメディアの記事末尾に、テーマに直結したホワイトペーパーの資料請求フォームを設置

  • CMS側で記事カテゴリとフォーム種別を管理し、MA側のリストセグメントと連携

  • CRMに「どの記事経由でリード化したか」を記録し、営業のアプローチトークに反映

ここまで設計すると、CMSの種類よりも「MA/CRMとどれだけスムーズに連携できる構造か」が重要になります。BtoBで本気でリードを獲得したいなら、導入前の段階で、

  • どのマーケティングツール(MA・CRM)とつなぐのか

  • コンバージョンポイントを何種類持つのか

  • どのページ種別のデータをどこまで追うのか

をざっくりでも描いておくことが、成功側の“最低ライン”になってきています。

スポンサーリンク

もう「CMSの種類」で迷わない:自社の条件から逆算するチェックシート&ナビゲーション

「WordPressでいいんですよね?」と聞かれた瞬間、プロは頭の中で次のチェックリストを高速で回しています。
種類を見る前に、自社の体制とリスクから逆算していきましょう。

スキル・体制・予算・セキュリティから見たCMSタイプ診断表

まずは、よくある中小企業の条件を前提にした“ざっくり一次診断”です。ここで赤信号が出たタイプは、深追いしない方が安全です。

観点 状況の目安 相性が良いタイプ 要注意タイプ
スキル HTMLは触れるがPHPは無理 クラウドCMS / パッケージCMS フルスクラッチ / 生WordPressカスタマイズ前提
体制 Web担当1〜2名、情シス不在 クラウドCMS / マネージドWordPress 素のオープンソース + 自前運用
予算 初期は抑えたいが月額は数万円ならOK SaaS型クラウドCMS 高額パッケージCMS一択の構成
セキュリティ グループ会社の基準を参照する必要あり パッケージCMS / エンタープライズSaaS 無制限プラグイン前提の構成
拡張性 将来MA・CRMと連携したい ヘッドレスCMS / API連携前提SaaS 単機能の格安CMS

ポイントは「今の条件」と「3年後にやりたいこと」を同じ表で見て、どこで矛盾が出るかを把握することです。

「この条件ならこのタイプは避けた方がいい」現場目線の赤信号リスト

導入後に炎上した案件を振り返ると、「最初からそのタイプは絶対向いていなかったよね」というパターンがはっきり出ます。

  • 担当者が1人しかいないのに、オープンソースCMSを素のまま導入

    • プラグイン更新を誰も見なくなった瞬間、セキュリティリスクが雪だるま式に膨らむ
  • 社内にGitやAPIの知識ゼロなのに、ヘッドレスCMS+Jamstack構成

    • 更新のたびに制作会社へ依頼 → ページ追加のスピードが紙のカタログ並みに低下
  • グループ全体でセキュリティ監査が入る予定なのに、格安レンタルサーバー+WordPress

    • 後からWAFやIP制限の要件が出て総やり替え、初期投資が丸ごと無駄になる
  • 更新頻度が月1以下なのに、高額なエンタープライズCMSを導入

    • 1ページ更新あたりの実質コストが、紙広告より高くなるケースもある
  • 多言語・EC・会員機能を“そのうちやりたい”のに、単体機能しかないCMSを選ぶ

    • 拡張時にMA・CRM連携が前提の構成へ乗り換えが発生し、二重投資になる

赤信号が2つ以上かぶるタイプは、「調べればなんとかなる」レベルを超えています。

それでも迷う場合に専門家に投げるべき“最低限の情報セット”

相談メールがうまくいくかどうかは、「最初に渡す情報の質」で決まります。プロが必ず聞き直す情報を、最初からまとめておくと話が一気に進みます。

  • 1. サイトの目的

    • 例:BtoBリード獲得がメインか、採用・ブランディングか、情報公開か
  • 2. 更新するページの種類と頻度

    • 例:ニュース月4本、ブログ月8本、製品ページは年数回など、ざっくりでOK
  • 3. 運用体制

    • Web担当の人数、外部制作会社の有無、社内にエンジニアがいるか
  • 4. セキュリティ・インフラ条件

    • グループ会社や親会社のガイドラインの有無、クラウド利用の可否
  • 5. 連携したいシステム

    • 既に使っているMA、CRM、会員管理、メール配信ツールの名称
  • 6. 想定予算(初期/月額)

    • 「この金額を超えると社長決裁が必要になる」というラインも重要
  • 7. 3年後までに実現したいこと

    • 多言語、EC、会員制コンテンツ、オンラインセミナー配信などの構想

ここまで整理して投げれば、「とりあえずWordPress」から一歩抜けた提案が返ってきます。CMSの種類選びは、カタログ比較ではなく、この情報セットからの“逆算ゲーム”だと捉えておくと迷走しにくくなります。

スポンサーリンク

CMS導入後3年を見据えた「将来のWeb戦略」と、今あえて選ばない方がいい選択

「今ラクなCMS」ではなく「3年後も戦えるCMSか」で見ると、選び方はガラッと変わります。ここからは、サイトの役割分担と将来拡張を前提に、失敗しやすい選択肢を一気に仕分けします。

コーポレートサイト・サービスサイト・オウンドメディアの役割分担とCMS選定

同じCMSで全部作ると、3年後にほぼ確実にひずみが出ます。役割ごとに「求める性能」が違うからです。

サイト種別 主な目的 CMSに求めるポイント 相性が良いタイプ
コーポレートサイト 信用・IR・会社情報 承認フロー、ガバナンス、改修の安全性 パッケージCMS、商用CMS
サービスサイト リード獲得、CV LP量産、ABテスト、MA連携 クラウドCMS、SaaS、ヘッドレス
オウンドメディア SEO、指名検索増加 記事作成のしやすさ、タグ管理 WordPress系オープンソース、クラウドCMS

よくあるのが「コーポレートも採用もブログも、全部WordPressで1インストール」。最初は便利ですが、3年目には:

  • IR担当とマーケ担当が同じ権限ロールでログイン

  • 片方が入れたプラグインがもう片方の運用に悪影響

  • テーマ改修のたびに全ページの表示確認が必要

結果として、更新フローのストレスが爆発します。
対策としては、用途ごとにCMSの役割を分けるか、最低でも権限とワークフローを切り分ける設計が必須です。

将来の多言語・EC・会員制サイトへの拡張をどう前提に入れるか

多言語やEC、会員制サイトは「いつかやりたい」の代表ですが、ここをあいまいにしたままCMSを決めると、後からほぼ確実にやり直しコストが発生します。

将来構想ごとのチェックポイントを整理します。

将来やりたいこと 今のうちに必ず確認すべきCMS要件
多言語対応 URLルール(/en /zh)、言語別テンプレート、翻訳ワークフロー、右左言語対応
EC機能 カートは別システムにするか、CMS内で完結させるか、在庫・決済との連携方式
会員制 会員情報はCRMか独自DBか、パスワードリセットや2要素認証の責任分界点
MA/CRM連携 フォームからのリードをMA・CRMへ自動連携できるAPI/Webhookの有無

現場で多いのは、WordPressでコーポレートサイトを構築した後に:

  • 海外子会社が増え、多言語が急に必須に

  • BtoBリード獲得のためにMAツールを後付け

  • 会員機能プラグインを追加してセキュリティ要件に引っかかる

というパターンです。
この手の拡張は後から「プラグイン1個」では済まず、セキュリティポリシーやサーバー構成の変更を伴うため、3年スパンのWeb戦略として最初から要件に含めておく方が、結果的に費用もリスクも抑えられます。

「とりあえず安く」「とりあえず有名どころ」の先に待っているやり直しコスト

CMSの失敗は、導入費よりも「やり直し費」が桁違いに重くのしかかります。
特に情シス不在の中小企業では、次の2パターンが危険ゾーンです。

  • 「とりあえず安く」オープンソースCMSを導入

  • 「とりあえず有名どころ」の高機能パッケージCMSを導入

3年単位で見たコストイメージをシンプルに比較します。

選び方 一見の印象 3年後に表面化するコスト
とりあえず安く(OSS) 初期費用が小さい、自由度高そう プラグイン更新・脆弱性対応、担当者退職時の引き継ぎ、セキュリティ監査対応
とりあえず有名(商用) 安心感、機能が豊富 使いこなせず更新を外注、毎回の修正に制作会社工数、ライセンス更新費

現場感として強調したいのは、炎上案件ほど見積書に「運用設計」「検証・テスト」の行が薄いという事実です。
CMSの種類選びよりも、以下にどれだけ時間を投資できるかで、3年後の満足度が決まります。

  • アカウントと権限の設計

  • 更新フローと承認ルールの整理

  • リリース前の運用テスト(想定ユースケースでの更新リハーサル)

CMSは「3年後の自社のWeb戦略を形にするインフラ」です。
目先の初期費用と有名ブランドだけで選ぶのを一度踏みとどまり、「役割分担」「将来拡張」「運用設計」の3点から、今あえて避けるべきタイプを明確にしておくと、やり直しコストをごっそり削れます。

スポンサーリンク

執筆者紹介

執筆者情報は、事実のみで構成する必要がありますが、現時点で私が把握しているのは「本記事のテーマと構成方針」のみであり、クライアントご自身の具体的な経歴・実績数値・担当領域は提示されていません。そのため、実在のご経歴を想定・創作して記載することはできません。

以下に「主要領域」「実績系」「特徴」を差し込めるひな型を提示しますので、【 】内をご自身の事実情報で置き換えてご利用ください。


【主要領域:中小企業のWebサイト運用・CMS選定支援】を中心に、【◯年以上】、【◯社以上】のコーポレートサイト/オウンドメディアの構築・リニューアルに関わる。提案時には必ず「運用フロー・権限設計・セキュリティ要件」をセットで設計することを基準とし、CMSの種類だけに依存しない選定支援を行っているのが特徴。

Digital Port
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク