スマホからのアクセスは増えているのに、検索順位とCVだけじわじわ落ちているなら、今この瞬間も「見えない赤字」を垂れ流しています。しかも、多くの中小企業サイトでは、その原因がコンテンツではなく、スマホSEO対策の“古い常識”と設計ミスにあります。
よくある流れは決まっています。
スマホ対応済み、レスポンシブも導入済み、モバイルフレンドリーも一応合格。それでも検索順位はスマホだけ下がり、LPの表示速度は遅くなり、フォームの入力完了率は下がり、サーチコンソールにはモバイル関連の警告だけが残り続ける。表面上は問題がないように見えるため、制作会社も社内担当も「原因不明」のまま対症療法を繰り返し、時間と広告費だけを溶かしていきます。
ここで必要なのは、新しいノウハウの“盛り足し”ではありません。
スマホ専用URL、なんとなくのレスポンシブ、画像を小さく見せてごまかす表示速度対策、LPへのスライダーと動画の積み増し、ブランドフォント優先のデザインレビュー…。こうした施策が、Core Web Vitalsやモバイルフレンドリー評価、スマホの離脱率とCV率にどう悪影響を与えているかを、構造として一度分解し直すことです。
この記事は「スマホ seo対策」を網羅的に語る教科書ではありません。
中小企業のWeb担当や制作会社のディレクターが現場で何度も踏んでいる失敗パターンを先に並べ、そのどれに自社サイトが当てはまっているかをチェックし、どこから順番に直せば、順位とCVを同時に守れるかだけに絞って整理したガイドです。Google公式ヘルプや一般的なチェックリストでは見えにくい、「テストは合格なのに警告が消えない理由」「スマホだけ評価が下がる導線設計」「触ってはいけない領域と、今日から直していい領域」を、実務の視点で切り分けます。
この記事を読み進めれば、
PageSpeedやCore Web Vitalsのスコアに振り回されず、デバイス別の離脱率とCV率から優先順位を決め、「どのページを、どこまで自社で直し、どこからプロに任せるか」を判断できるようになります。テンプレートやツールに依存せず、スマホSEO対策を“数字が戻るまで”やり切るためのロードマップとして使ってください。
この記事全体で得られるものは、次の通りです。
| セクション | 読者が手にする具体的な武器(実利) | 解決される本質的な課題 |
|---|---|---|
| 前半(現状診断・失敗パターン・Google公式の落とし穴まで) | スマホだけ順位とCVが落ちる原因を、画面と指標の両方から特定するチェック視点 | 「スマホ対応しているのに成果が落ちる理由が分からない」という診断不能状態 |
| 後半(優先順位設計・コミュニケーション・運用ルーティン) | どのページをどの順で直すか、どこまで内製し何を外注するかを決める実務フロー | やみくもな施策と発注で、時間とコストだけが消えていく現状の打破 |
ここから先は、スマホSEO対策を「なんとなく良さそうな施策の寄せ集め」から、「順位とCVを守るための最低限かつ確実な一手」に変えるための話に入ります。
「スマホ対応してるのに順位が落ちた」そのモヤモヤ、どこから崩れてる?
「スマホ対応にしたのに、検索順位もCVもジワ落ち…」
この状態は、たいてい1〜2カ所の“見えない不良箇所”から崩れ始めています。デザインはそれっぽくスマホ対応、でもGoogleもユーザーも「うーん…」と黙って離れていくパターンです。
スマホ流入は増えたのに、なぜCVだけじわじわ落ちていくのか
数字を見る順番を間違えると、原因が一生見えません。まず見るのは「デバイス別のCV」より前に「デバイス別の離脱場所」です。
よくある変化はこのセットです。
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スマホの新規流入は増えている
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直帰率・離脱率が特定セクションで急上昇
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スクロール深度がPCより2〜3ブロック手前でストップ
多くの中小サイトで、落ちているのは商品力ではなく“読み切られる前にあきらめられている”ことです。フォーム直前の離脱が増えているなら、SEOより先に入力のしんどさを疑う方が早い場面もかなり多いです。
PCでは問題ないのに“スマホだけ”評価が下がる3つのド定番パターン
業界で繰り返し観測される、スマホだけ沈むパターンを整理するとこうなります。
| パターン | 画面で起きていること | 検索評価で起きること |
|---|---|---|
| 1カラム化スカスカ問題 | PCで2カラム→スマホで上部が画像と装飾だけ | スマホ側だけ「実質コンテンツが薄い」扱い |
| 重いヒーローエリア問題 | スライダー・動画・大画像を全部1画面目に集約 | CLS/LCPが悪化し、スマホ評価だけ落ちる |
| 旧タグ温存問題 | 古い計測タグ・iframe・余計なポップアップ | モバイルフレンドリー警告→評価がじり下げ |
「コンテンツ量は同じなのに」と言いたくなりますが、ユーザーが最初に触れる“数秒”が別物になっているので、Google側の評価も別サイトレベルで変わります。
モバイルフレンドリー合格=スマホSEO完了じゃないワケ
モバイルフレンドリーテストは、あくまで「最低限ちゃんと表示できているか」を見ているだけです。ここを合格していても、現場では次のような“沼”がよく起きます。
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合格しているのに、Core Web Vitalsは真っ赤
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テキストは読めるが、フォントが細すぎて実際は読む気がしない
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タップ要素は並んでいるが、指で押すと誤タップ祭り
私の視点で言いますと、モバイルフレンドリーは「車検証」レベルの存在です。
車検に通った車でも、ブレーキが甘かったりタイヤがツルツルなら長距離を走るのは怖い状態と同じで、スマホSEOとしてはまだ“出走前”。ここから先の速度・読みやすさ・触りやすさをどう詰めるかで、順位とCVがようやく伸び始めます。
スマホSEO対策で陥りがちな“古い常識”が、サイトを silently 潰している
「スマホ対応も済んでるし、モバイルフレンドリーも合格。なのに検索順位もCVも、スマホだけじわっと沈んでいく」。
このパターンの裏側には、高度なテクニックよりも“古い常識”の後遺症が潜んでいることが多いです。私の視点で言いますと、ここを掃除しないまま新しい施策を足しても、アクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態から抜け出せません。
まずは、現場で今も生き残っている3大レガシーを潰していきます。
「別URLでスマホ専用サイト」は今やリスク高めな選択になることも
かつては
example.com(PC) / sp.example.com(スマホ)
のような別URL方式のモバイルサイトが主流でした。しかし、モバイルファーストインデックス以降、この構成は中小企業サイトほど負担とリスクが増えています。
代表的な問題を整理するとこうなります。
| 項目 | 別URLモバイルサイトで起きがちな問題 | SEOへの影響 |
|---|---|---|
| コンテンツ差分 | PCとスマホでテキスト量・内容が違う | 評価が弱い方(スマホ側)に引きずられる |
| メンテ負荷 | 更新のたびに2URL修正が必要 | 情報の古さ・矛盾で信頼性低下 |
| テクニカル要件 | rel=”alternate” / canonical の整合性が必要 | 設定ミスでインデックス混乱 |
| 内部リンク | 片方だけリンク構造が貧弱になりがち | クロール効率・評価伝達が悪化 |
特に多いのが、スマホ版だけコンテンツを大胆に削ったパターンです。
「スクロールが長いとスマホユーザーが離脱する」という思い込みから、PC版で評価されていた説明や事例を、sp版では半分以下に削ってしまうケースが繰り返し観測されています。
Googleはスマートフォン用Googlebotでページを評価します。
スマホ版コンテンツが薄い=検索エンジンが見る“本体”が薄いということです。
現場で別URL運用を維持してよいのは、例えば次のようなケースに限られます。
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自社に常時テクニカル担当がいる
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全ページでPC/モバイルのコンテンツ差分を管理できる体制がある
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定期的にサーチコンソールでインデックス状況とURLごとの検索結果をチェックしている
それ以外の多くの中小企業では、レスポンシブ1本に集約して設計をシンプルにする方が、結果的にSEO評価も安定しやすい状況になっています。
「とりあえずレスポンシブ」で中身がスカスカ化する悲劇
逆に、PCとスマホを統合したつもりで別の地雷を踏むパターンもあります。それが「とりあえずレスポンシブにしました」というリニューアル後に、スマホだけ検索順位とCVが落ちるケースです。
原因は、実装そのものではなく情報設計の崩壊にあります。
よくある失敗パターン
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2カラム・3カラムだったPCレイアウトを、スマホで1カラムに縦積みしただけ
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サイドバーにあった「関連サービス」「料金表」「お問い合わせ導線」が、延々スクロールしないと出てこない位置に追いやられる
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重要なコンテンツブロックが、スライダーやヒーロー画像の下に埋没
結果として、
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検索エンジン視点:主要コンテンツへの内部リンクが薄くなり、ページ全体の関連性シグナルが弱まる
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ユーザー視点:欲しい情報とコンバージョンボタンが遠くなり、離脱率が上がる
というダブルパンチが発生します。
レスポンシブ移行時に最低限チェックしたいポイント
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重要コンテンツ(サービス内容・料金・お問い合わせ)のスクロール距離をPC/スマホで比較
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内部リンクの数と位置が、モバイル表示で減っていないか
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ユーザー行動(スクロール・クリック)を、ヒートマップやアナリティクスでデバイス別に確認
レスポンシブは技術的には単一HTMLで済む便利な方法ですが、「情報の優先順位をスマホ前提で再定義する」作業をサボると、SEO的には“中身スカスカの1カラムLP”を量産する結果になりがちです。
画像を小さく見せても“軽くはならない”スマホ速度の勘違い
スマホSEO対策の現場で、今も根強く残っているのが「画像の表示サイズ=ファイルサイズ」だと思い込む勘違いです。
よくある会話
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「画像は小さく表示しているから、ページは軽いはず」
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「スライダーの写真は全部同じ画像を縮小しているだけだから大丈夫」
実際には、
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画面表示が小さくても、サーバーからはフルサイズのJPEG/PNGがそのまま配信されている
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1枚1MBの画像を5枚並べたスライダーは、スマホユーザーにとって合計5MBのダウンロード地獄になる
PageSpeed InsightsやLighthouseでも、モバイル計測時に必ずと言っていいほど
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適切なサイズの画像の提供
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画像の遅延読み込み(Lazyload)
が指摘されますが、「見た目は小さいから大丈夫」と誤読されがちです。
画像まわりで押さえておくべき実務ポイント
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HTML/CSSで縮小してもファイルサイズは変わらない
→ アップロード前にリサイズ・圧縮(例:長辺1200px程度、Web向け圧縮)
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スマホアクセスの多いページほど、ファーストビューに置く画像枚数を絞る
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スライダーは「全部見られている」という前提を捨て、最重要1枚+テキストで代替できないか再設計
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WebPなどの軽量フォーマットやLazyloadを、制作会社に具体的に依頼
画像に関する「古い常識」と今の現実
| 古い常識 | 現実(モバイルSEO視点) |
|---|---|
| 画像は小さく表示していればOK | ダウンロードするファイルサイズが重ければ速度も評価も落ちる |
| スライダーは“リッチでカッコいい”のでCVに効く | 読み込み遅延+メッセージ分散で、スマホでは離脱理由になりやすい |
| 写真は高解像度のままが“品質高い” | モバイルでは回線品質と読込時間がユーザー体験の品質を決める |
スマホSEO対策で表示速度を改善したいなら、技術用語より先に「ユーザーが月末の通信制限中でも読む気になる軽さか?」を基準に見ると、直すべき画像がはっきり浮かび上がります。
中小企業サイトでリアルに多発しているスマホSEOトラブル集
LPにスライダーと動画を盛りすぎて、表示速度が爆死するケース
「トップでド派手に魅せたい」LPほど、スマホでは検索順位もCVも沈みがちです。原因はシンプルで、ファーストビューに“重い要素を全積み”しているから。
代表的なNGパターンは次の通りです。
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自動再生スライダーを3枚以上
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YouTube埋め込み動画を複数
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フルスクリーン背景画像をPCと同じサイズで読み込み
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追従バナーやチャットボットが重複起動
PageSpeed Insightsでモバイルの「初回コンテンツの表示」が4秒超えなら、スマホユーザーはかなり離脱しています。私の視点で言いますと、スライダー1つ削るだけで直帰率が5〜10%改善するケースは珍しくありません。
まずはこの3つから削ると効果が出やすいです。
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スライダーは1つ+重要画像のみ
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動画はサムネイル+タップ再生に変更
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上部の装飾画像はサイズ圧縮+遅延読み込み
フォームがPC前提のまま放置され、スマホCVが半減しているケース
「アクセスは伸びたのに申込みが減った」場合、真犯人がスマホフォームであることがよくあります。
よくある“PC前提フォーム”の特徴は次の通りです。
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入力項目が10個以上
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半角カナ・全角指定が多くエラー地獄
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郵便番号→住所自動入力がない
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電話番号やメールの入力補助が未設定
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ラジオボタンが指で押しにくい小ささ
スマートフォンユーザーは、片手で電車に揺られながら入力する状況が多く、1項目増えるごとに離脱率が素直に上がると思っておくと判断しやすくなります。
改善の優先度は次の順が鉄板です。
- 項目削減(本当に営業に必要な情報だけに)
- 入力補助(郵便番号検索、TEL・メールのinputタイプ指定)
- エラー文言の改善(どこがダメか1行で明示)
「トップだけ新デザイン」で、内部リンクが迷子になるケース
リニューアル予算が限られる中小企業で多いのが、「トップページだけリニューアル」パターン。見た目は今っぽくなる一方で、内部リンク構造が寸断され、スマホSEOがじわじわ崩れるケースが見られます。
典型的な崩れ方は次の通りです。
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旧ナビゲーションのテキストリンクを削除
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バナー画像にリンクを集約し、テキストリンクが激減
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下層ページへの導線がハンバーガーメニューの奥深くに隠れる
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スマホだけパンくずリストが非表示
検索エンジンは、テキストリンクやアンカーテキストを手がかりにページの重要度を判断します。トップだけモダンなカードUIに差し替え、「サービス名」や「エリア+サービス」へのテキストリンクが消えると、検索順位と流入が落ちやすくなります。
スマホ対応のときは、見た目よりも先に「どのキーワードのページへ、どうリンクを残すか」を紙に書き出してからデザインを決めた方が安全です。
見逃されがちな“細かいけど効く”スマホ修正ポイント一挙まとめ
最後に、現場で効き目が大きいのに後回しにされがちなスマホSEOのミニ改善ポイントをまとめます。どれも中小企業のWeb担当1人でもチェックしやすい項目です。
| 修正ポイント | よくある状態 | 理想の状態・対策 | 期待できる効果 |
|---|---|---|---|
| フォントサイズ | 12px前後で細いゴシック | 本文16px以上、行間1.5倍前後 | 滞在時間アップ、離脱率低下 |
| タップ領域 | テキストリンクがギリギリ押せる大きさ | 幅40px以上、ボタン化 | 誤タップ減少、CV率向上 |
| ファーストビューのテキスト量 | キャッチコピーのみ | 1〜2行で「誰に何を提供するか」を明記 | 検索意図とのマッチ向上 |
| メニュー構造 | ハンバーガー内に全て格納 | 重要3ページはヘッダー直出し | 主要導線のクリック率アップ |
| 画像サイズ | PCと同じ解像度をスマホにも配信 | モバイル用画像を用意、圧縮 | 表示速度改善、Core Web Vitals向上 |
| 電話リンク | 電話番号がテキストのみ | telリンク+目立つボタン | スマホからの問合せ増加 |
ここを先に押さえると、モバイルフレンドリーやCore Web Vitalsの指標も素直に改善し、Googleからの評価とユーザー体験の両方を底上げできます。スマホSEO対策を「大工事」だと構えず、まずはこのレベルの“細かいけど効く”ところから潰していく方が、数字の伸び方はむしろ速くなります。
Google公式では語りきれない、モバイルフレンドリー判定の落とし穴
「モバイルフレンドリーテストは緑、でもサーチコンソールだけずっと赤」。
スマホSEO対策の現場で一番モヤるゾーンがここです。
テストは合格なのに、サーチコンソール警告がずっと消えない理由
モバイルフレンドリーは「1ページ単位」ではなく、「URL群のパターン」で評価されます。
1本だけテストして安心しても、テンプレート全体に潜む問題は消えません。
代表的なハマり方はこのあたりです。
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テストしたURLだけは修正済みだが、同じテンプレートの下層ページが未修正
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サイトマップ未更新で、古いモバイル非対応URLがインデックスに残留
-
計測タグやABテスト用スクリプトが一部ページでレイアウト崩れを発生
-
期間中に発生した「一時的なスマホ障害」をサーチコンソールが履歴として保持
サーチコンソールが「モバイル ユーザビリティ問題」を解消と判断するまでには、
- 全ての該当テンプレートで修正
- サイトマップ・内部リンクを更新し、古いURLを整理
- 「修正を検証」ボタンで再クロールをリクエスト
- 数日〜数週間かけて再判定
というプロセスが必要です。
ページ単体テストだけ見て「もうOK」と判断すると、検索順位とCVがじわじわ削られます。
埋め込みコンテンツとポップアップが評価を密かに落とすパターン
スマートフォン画面では「ちょっとしたパーツ」がSEOとユーザビリティを一緒に壊します。
業界人の目線で見ると、特に危険なのはこの3種です。
-
iframeで埋め込んだ予約フォーム・地図・外部ウィジェット
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旧式の計測タグ(古いABテストツールやアクセス解析)
-
画面を覆うタイプのポップアップ・チャットウィンドウ
スマホSEO対策で問題になるのは、見た目よりも“読み込み順”と“邪魔度”です。
-
iframeがCSSより後でレンダリングされ、LCP(最大コンテンツの表示時間)を遅らせる
-
ポップアップが画面上部を押し下げ、CLS(レイアウトシフト)を悪化させる
-
外部スクリプトがタイムアウトして、インタラクション開始が遅れる
私の視点で言いますと、PageSpeed Insightsで「第三者コードの影響」「レンダリングを妨げるリソース」に名前が出ているサービスは、まず疑ってかかるべきです。
埋め込み・ポップアップを使う場合は、
-
モバイルだけ表示位置を下部にずらす
-
ファーストビューでは読み込まず、ユーザー操作後にロード
-
不要な計測ツールは整理し、タグマネージャーで一元管理
このあたりが、スマホSEOとマーケティング施策を両立させる現実的なラインです。
Core Web Vitalsを“全部は追えない”現場のための優先順位の決め方
中小企業サイトや1人Web担当で、Core Web Vitalsを全部100点にするのは非現実的です。
追うべき指標には、明確な優先順位をつけた方が成果が出ます。
まず押さえるべきは、スマホ版のLCP(最大コンテンツの表示時間)とCLS(レイアウトシフト)。
理由はシンプルで、「ユーザーが一番イライラするポイント」とGoogleの評価が直結しているためです。
| 優先度 | 指標名 | スマホSEOへの影響イメージ | 先に見る理由 |
|---|---|---|---|
| 高 | LCP | ファーストビューが出るまでの“待たされ感” | 離脱率と検索評価の両方に直結 |
| 高 | CLS | 読もうとした瞬間にズレる、誤タップが起きる | コンバージョン率に直撃 |
| 中 | INPなど操作指標 | クリックしてから動くまでの“モサッと感” | フォーム・ECでは重要だが全ページ必須ではない |
| 低 | 細かな警告各種 | 体感差が小さい、改善コストに対して効果が見えづらい | 時間と予算に余裕があれば対応 |
現場でのスマホSEO対策では、次の流れで判断するとブレません。
- アナリティクスで「モバイル流入が多いページ」を上位10〜20本抽出
- そのURLをPageSpeed Insightsでスマホモード計測
- LCPとCLSが悪い順に、画像サイズ・フォント読み込み・埋め込みコンテンツを見直す
数字上の指標と、実際のスマホ画面をセットで見ることで、
「スコアのための修正」ではなく「CVと検索順位を一緒に上げる修正」に集中できます。
スマホSEO対策は、“全部やる”より“やらないことを決める力”のほうが成果に直結します。
スマホSEOの優先順位、「全部やる前にここだけ」は数字から逆算せよ
スマホSEOは「全部やるぞ」と思った瞬間に負けが始まります。中小企業の1人Web担当が勝てるのは、“数字で優先順位を切る”冷静さだけです。
私の視点で言いますと、スマホ対策は「正義感」ではなく「財布(売上)」から組み立てた方が9割うまく回ります。
まず注目すべきは順位より「デバイス別の離脱率とCV率」
検索順位より先に見るべきは、Googleアナリティクスの「デバイス別レポート」です。
SEOは検索エンジン向けの技術ですが、スマホSEOで落ちているのはだいたい「人の我慢の限界」です。
最初にチェックしたい指標はここです。
-
スマホとPCの直帰率(離脱率)
-
スマホとPCのCV率(問い合わせ・購入率)
-
スマホからのセッション数の推移
この3つを見れば、「順位の問題」か「スマホ画面の問題」かがかなり絞れます。
スマホとPCをざっくり比較する目安は、次のようなイメージです。
| 指標 | PCの数値を基準にしたときの目安 | 状況の判断 |
|---|---|---|
| 直帰率 | スマホがPCより+10〜15pt高い | レイアウト・表示速度に問題あり濃厚 |
| CV率 | スマホがPCの半分以下 | フォーム・導線・読みにくさを疑う |
| セッション数 | スマホ比率が5割超だが、CVは3割以下 | 「見られているのに売れていない」状態 |
ここで「スマホだけ数字が崩れている」ページこそ、今すぐ直すべき“お宝ページ”になります。
スマホ版だけ先に直すべきページを見抜く3ステップ
スマホSEOの優先順位は、次の3ステップで切ると失敗しにくくなります。
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売上・リードに近いページを洗い出す
- お問い合わせフォーム直前のページ
- 料金・プラン・サービス紹介ページ
- 「○○ 地域名」「○○ サービス名」など、指名度の高いキーワードで来るページ
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スマホとPCのギャップが大きいページを特定する
- デバイス別の直帰率とCV率を比較
- スマホだけ滞在時間が極端に短いページは「読めていない」サイン
-
“レスポンシブだけど読みにくい”ページから手をつける
- 文字が小さい、行間が詰まりすぎ
- 1カラム化されて「情報のメリハリ」が消えている
- スライダーや大きな画像でファーストビューが広告みたいになっている
この3ステップを回すと、闇雲に全ページを改修せずに、「スマホ版だけ先に触るべきページ」がごく少数に絞れます。
触ると危険なエリアと、今日から遠慮なく直していい場所の見分け方
スマホSEO対策は、「いじると検索順位に直撃する場所」と「今すぐ変えてもほぼリスクゼロの場所」を分けるのがコツです。
触ると危険寄り(慎重にやる場所)
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URL構造(モバイルサイト用に別URLを増やす/統合する)
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見出し構造(h1〜h3のテキストを大きく変更)
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主要ナビゲーションメニュー
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重要な内部リンクの削除・大幅な位置変更
今日から遠慮なく直していい場所
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フォントサイズ・行間・段落の余白(スマートフォン画面での可読性アップ)
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ボタンのサイズとタップ領域(ユーザビリティ改善)
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スマホで不要な装飾画像・スライダーの削減
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ファーストビュー直下に置く「結論ブロック」の追加(要点のテキスト化)
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画像の圧縮と遅延読み込み(Lazy Load)設定
スマホSEOで現場がよくやらかすのは、PageSpeed Insightsのスコアにビビってテンプレート全張り替え→構造が変わって検索評価も吹き飛ぶパターンです。
モバイルフレンドリーやCore Web Vitalsの数値は大事ですが、最初にやるべきは「URLと情報構造を極力いじらず、表示と読みやすさだけを直す」ことです。
この順番さえ守れば、スマホSEO対策は“数字で勝ち筋を作る作業”に変わります。
制作会社と社内担当の“すれ違い”がスマホで炎上案件を生むワケ
「PCではそれなりに成果出てたのに、スマホ版リニューアル後だけCVが転げ落ちた」
このパターン、数字だけ見ると“技術の問題”に見えますが、現場で追うとほぼコミュニケーション事故です。
制作会社と社内Web担当、それぞれの“前提”がズレたまま進行すると、スマホSEO対策は次のような炎上コースに入りやすくなります。
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スマホ画面でのユーザビリティより「ブランドイメージ」「世界観」が優先される
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Googleのモバイルフレンドリー評価より「見栄えのスクショ」が評価軸になる
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検索順位とCVの責任だけ、後から社内担当に乗っかってくる
私の視点で言いますと、ここを直さない限りどれだけPageSpeed Insightsのスコアを上げても、“現場の再発”は止まりません。
デザイン会議ばかりで、速度と読みやすさが後回しになる構造
中小企業サイトでよくある会議の時間配分は、ざっくりこうなります。
| 議題 | 実際の会議時間の比率 | SEO・CVへの重要度 |
|---|---|---|
| キービジュアル・色・写真 | 50〜70% | 中 |
| 文言・コンテンツ構成 | 20〜30% | 非常に高い |
| スマホでの表示速度・可読性 | 0〜10% | 非常に高い |
よくある流れ
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経営層「もっとインパクトが欲しい」→スライダー・動画・大画像が増える
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デザイナー「文字は少ない方がスッキリ見えます」→余白は増えるが情報は減る
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技術担当が口を挟むのは「もう実装済み」の段階→HTML構造や画像サイズの大幅調整が難しくなる
その結果、スマホでは次のような“地味に致命的な症状”が出ます。
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ファーストビューが画像とキャッチだけで、検索ユーザーが探している具体情報にたどり着くまで3スクロール
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レスポンシブ対応はしているが、フォントサイズや行間がPC寄りで、1画面に文字が詰まりすぎる
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表示速度が遅く、モバイルデバイスからの離脱率だけが高騰
ポイントは、「デザインレビュー」と「モバイルフレンドリーのレビュー」が別物として扱われていることです。
最低限、下の3つを“デザインと同じテーブル”に載せておくと炎上率が一気に下がります。
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スマホ実機での読みやすさ(フォントサイズ・行間・ボタンサイズ)
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表示速度(LCP・CLSなどCore Web Vitalsの要素)
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1画面目に「検索ユーザーが探しているキーワード」が入っているか
「ブランドフォント問題」がスマホの可読性を台無しにするまで
モバイルSEO相談で頻出するのが、ブランドフォント最優先で文字が読めないパターンです。
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極細の英字フォントを日本語にも無理やり適用
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コントラストが弱いグレー文字+白背景
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PCではオシャレに見えるが、スマホだと視力検査レベル
この状態だと、GoogleのクローラーはHTML上のテキストをしっかり認識しても、ユーザーは読めません。
結果として、検索順位はそこそこでも、スマホCVが落ちる「実質ペナルティ」状態に陥ります。
スマホでのフォント設計で押さえておきたい現実的なラインを整理すると、こうなります。
| 項目 | やりがちなNG | 現場で効く解決策 |
|---|---|---|
| フォントサイズ | 12px〜14pxで“スタイリッシュ”に見せる | 本文は16px以上、行間1.6〜1.8を基本にする |
| フォントの太さ | 極細ウェイトでブランド感を出す | 見出しは太め、本文は中太にして階層を明確に |
| 色・コントラスト | 薄いグレーで“上品”に見せる | モバイルは黒〜濃いグレーでコントラスト確保 |
ブランド担当は「世界観」を見ていますが、SEO担当は「読み切られるか」「CVフォームまで進むか」を見ています。
ここを橋渡しするのが社内Web担当の役割で、「ブランドフォントの使用範囲」を明文化すると衝突が減ります。
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ロゴやメインコピーだけブランドフォント
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本文やボタンは可読性優先のWebフォント/システムフォント
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スマホだけフォントウェイトとサイズを調整するCSS設計
メール・チャットのやり取りから見える、スマホ施策の認識ズレ
炎上案件のログを追うと、メールやチャットの文面に“将来のトラブル予告”がしっかり残っているケースが多いです。
よくあるすれ違いパターンを、実際のやり取りに近い形で整理してみます。
| 社内担当のメッセージ | 制作会社の受け取り方 | 起きがちな結果 |
|---|---|---|
| 「スマホ対応もお願いします」 | レスポンシブで崩れないようにすればOK | SEO観点のモバイル最適化は手つかず |
| 「PageSpeedの点数も上げたいです」 | 画像圧縮とキャッシュ対応を少し入れておく | Core Web Vitals的にはほぼ未対策 |
| 「モバイルでCVが落ちていて…」 | フォーム位置を少し上げればよさそう | 入力項目数やUIの抜本見直しはされない |
| 「Googleのモバイルフレンドリー対応は必須です」 | テストツールで合格すればOK | 実ユーザーの操作感までは見ない |
すれ違いを減らすには、最初の依頼文から“評価指標”をセットで伝えることが重要です。
依頼時に必ず一緒に送っておきたい情報の例
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サーチコンソールの「デバイス別検索パフォーマンス」(スマホとPCのCTR・検索順位)
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アナリティクスの「デバイス別の離脱率・CV率」
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モバイル版で特に落ちているページURLと、その想定ユーザー
これがあるだけで、制作会社側も「見た目のスマホ対応」ではなく、検索エンジンとユーザー両方の視点から施策を組み立てやすくなります。
スマホSEO対策は、HTMLやレスポンシブの話の前に、“何をゴールとして評価するか”のすり合わせから始めると、後の修正コストが桁違いに下がります。
相談現場のQ&Aから見える、スマホSEOのリアルな誤解と本音
「スマホ対応したら、いつ順位は戻りますか?」へのプロの答え方
「レスポンシブ対応したから、あとは順位が戻るのを待つだけですよね?」
現場で一番聞かれる質問がこれです。
私の視点で言いますと、“スマホ対応”はスタートラインへの入場券でしかありません。 モバイルフレンドリー合格も、Core Web Vitalsの改善も、「評価のマイナスを外す」工程であって、プラス評価を稼ぐ工程(コンテンツ・内部リンク・E-E-A-T)とは別物です。
順位が戻り始める目安は、実務では2~3カ月スパンでの推移を見るのが現実的です。ここで見るべきは「キーワード別の順位」よりも、デバイス別のクリック率と離脱率です。
主なチェック指標と意味合いを整理するとこうなります。
| 指標 | デバイス | 何を見ているか | アラートラインの目安 |
|---|---|---|---|
| 検索結果のクリック率CTR | モバイル | タイトル・ディスクリプションの刺さり具合 | PCより明確に低い場合は要修正 |
| 直帰率・離脱率 | モバイル | ファーストビューと読みやすさ | PCより10pt以上悪ければ危険域 |
| CV率 | モバイル | フォーム・導線のスマホ最適化 | モバイルCVがPCの半分以下ならNG |
「いつ戻るか」より「戻る状態まで作り切ったか」を先に詰める方が、最終的には早道になります。
「このテンプレ入れればSEOも安心ですよね?」に潜む落とし穴
スマホ対応テーマやLPテンプレを入れるとき、よく飛んでくるのがこの質問です。
ここで押さえておきたいのは、テンプレは“器”であって“中身”ではないことです。
特に危険なのが、次の3パターンです。
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スライダー前提のテンプレ
→ ヒーローエリアが巨大カルーセル固定で、LCPが常に悪化し表示速度が落ちる
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過剰なアニメーション・JS読み込み
→ スクロールするたびにエフェクト発火し、モバイルデータ回線でページが重くなる
-
1カラム前提で本文が薄くなる構成
→ PC時代にあった補足情報ブロックが全部削られ、検索意図に対する回答量が不足する
テンプレを採用するときは、SEO観点で最低でも次をチェックしておくと安全です。
-
PageSpeed Insightsでモバイルスコアを確認(LCPとCLSを特に見る)
-
H1~H3の構造が素直に組めるか(無駄な装飾タグに縛られないか)
-
スマホ画面で本文フォントが読めるサイズか(14px前後は避け、16px以上を目安)
「テンプレ=SEO対策込み」ではなく、「テンプレ=スマホ対応の土台+自分でSEO設計する前提」と捉えると、痛い目に遭いにくくなります。
中小規模サイトだからこその“やらない決断”の上手なつけ方
人も時間も潤沢ではない中小企業サイトが、スマホSEO対策で生き残るには、「やること」より「やらないこと」を先に決める方が強いです。
優先順位の付け方は、次の3ステップが現場で機能しやすい形です。
- スマホからのCVに直結しない施策は後回しにする
・アイコン微修正や装飾アニメーションの追加
・ブランド色の微調整だけの改修 - 1画面目とフォームまわりを最優先で最適化する
・ファーストビューのテキスト量と訴求を整理
・スマホ用フォームの項目削減、入力補助(オートコンプリート、数字キーボード) - 追い込むCore Web Vitalsより、致命傷レベルだけ潰す
・FID/INPが極端に悪いページのみ、JSの削減や遅延読み込みを実施
スマホSEO対策は、「全部90点」ではなく「CVに効く3カ所を120点にする」ゲームです。
やらない決断を先に言語化しておくと、社内レビューや経営層との会話も格段にラクになります。
自社で回せるスマホSEOチェックと、プロに任せた方が速い領域
一人担当でも回せる「月1スマホチェック」のリアルなルーティン
「忙しいのに、これ以上やること増やすな…」という前提で、月1・90分で回せる現実路線のルーティンだけに絞ります。
【月1ルーティン(90分パック)】
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アクセス解析をざっくり確認(30分)
- デバイス別(スマホ/PC)の
- セッション数
- 直帰率・離脱率
- CV率
- スマホだけ悪化しているページを3〜5件ピックアップ
- デバイス別(スマホ/PC)の
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該当ページを「実機で」触る(30分)
- 4G回線を想定してテザリングorモバイルデータで表示速度を体感
- ファーストビューで「何のページか」3秒で伝わるか
- フォーム・ボタンを親指でストレスなく押せるか
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ツールで最低限の技術チェック(30分)
- PageSpeed Insightsのモバイルタブ
- サーチコンソールのモバイルユーザビリティ
- 重大なエラーだけメモして「要相談リスト」に入れる
私の視点で言いますと、「体感→数字→ツール」の順で見ると、机上分析だけのSEOから一気に“現場寄り”に変わります。
表示速度・UI・コンテンツ、それぞれの“内製限界ライン”とは
何でも自力でやろうとすると、いつか燃え尽きます。最初から「ここまで自社、ここからプロ」と線を引いておく方が、結果的にコスパが良いです。
| 領域 | 自社でやるライン | プロに任せた方が速いライン |
|---|---|---|
| 表示速度 | 画像圧縮、画像サイズ見直し、不要スクリプトの停止 | JavaScript最適化、LCP/FID改善、サーバー・CDN調整 |
| UI(デザイン/レイアウト) | 文字サイズ・行間・余白調整、CTAボタンの配置変更 | レスポンシブ全体の再設計、情報設計の作り直し |
| コンテンツ | タイトル・見出しの見直し、テキスト加筆修正 | コンテンツ戦略設計、情報構造の再定義、大量リライト |
判断の目安は「HTMLやCSSを書き換えないと無理かどうか」。
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管理画面から変えられるもの → 原則内製
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テンプレートやテーマの編集が必要 → 無理せず外注候補
表示速度は特に、Core Web Vitalsレベルの調整に入ると、もはや“趣味の範囲”では太刀打ちできません。
外注するときに必ず投げかけたい、スマホSEOのチェック質問リスト
制作会社やSEO会社に頼む前に、この質問で“モバイルを本気で見ているか”を見抜けます。
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スマホとPCで、評価指標をどう分けて見ていますか?
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モバイルファーストインデックスを踏まえた設計の考え方を教えてください。
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PageSpeed InsightsとCore Web Vitalsの、どの指標を優先していますか?理由も聞かせてほしいです。
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既存テンプレートやテーマを使う場合、スマホSEO上のリスクはどこにありますか?
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埋め込み動画・スライダー・ポップアップを入れる場合、スマホの表示速度とUXをどう担保しますか?
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スマホフォームの離脱を下げるために、UI側でできる施策を3つ挙げてください。
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スマホ改善の成果は、どの数字(KPI)で一緒に追うのが現実的だと考えますか?
ここで具体的なページ例や、過去の改善ストーリーを語れる会社なら、スマホSEOも“机上の空論”ではなく、ちゃんと現場で回している可能性が高いです。
執筆者紹介
中小企業スマホSEO実務を主要領域とし、PC全盛期からのサイト運用で検索順位とCVの変動を継続的に追いかけてきたディレクターです。モバイルフレンドリー対応やレスポンシブ化プロジェクトなど複数案件で現場の失敗パターンを分析し、本記事ではその共通構造と「どこから直すか」の判断軸だけを抽出して解説しています。


